子供のことでお聞きします。5歳の男の子です。前歯の歯ぐきのところに、膿をもっているおできみたいのが出来ました。つぶれたりはれたりのくりかえしです。前歯は軽い虫歯があります。進行止めは2年ぐらい前に塗りました。なにが原因ですか?やっぱり歯医者にいった方がいいですか?(U.E.さん from WEB)




幼児期で、歯茎が腫れたりする原因は、元々は、虫歯が原因です。
歯が虫歯菌でおかされると、神経(死髄)まで、虫歯菌に破壊を受け、神経自体が死んでしまいます。
神経は、ばい菌によって破壊を受けた後どろどろの状態になって腐っていきます。

子供は、大人と違って、痛みに対して鈍感で、あまり痛がりません。

やがて、この状態は慢性化(ゆっくりと悪くなり)し、ばい菌は、神経を全部破壊した後、歯髄腔と呼ばれる神経の部屋から、根っこの先にある穴を通って外へ出て行きます。

さらに、根っこの周りの組織に破壊(炎症)を広げていきます。そればかりか、そこにある骨までも溶かして行きます。(骨の吸収)

この時、体は、一生懸命にそこに血液を送り込んで、白血球や免疫細胞を出して、ばい菌をやっつけるのです。(炎症)

これらの、ばい菌の死骸やら、血液の残骸やら、浸出液がどんどん溜まる事となり、それが膿と呼ばれているもので、ちょうど、マグマが爆発するように、膿は、歯茎の柔らかいところをぬうようにして、外に出てきます。(腫れます)

外に膿が出てしまうと(排膿)、腫れは、しぼみます。

これを繰り返しながら、病巣は拡大していきます。

ひどい場合は、すぐ下にある、大人の歯への影響も出てきたり、炎症が、組織や、骨に一気にまわる事もあり、この場合は、顔面全体が腫れ上がったり、緊急の場合は、全身症状へ波及する事もあり、注意が必要です。これは、そんなに珍しい事では、ありません。

子供は、生活力が旺盛で、治るのも早いけれど、悪くなる時も一気に悪くなる特徴があります。日ごろの健康管理も大切と言えます。
早急に治療する事をお勧めします。

ただ、子供さんの、治療へに協力度により異なりますが、小児歯科では、完璧な神経治療は、難しいです。

唾液が多く、完全に唾液を遮断して治療する事が難しいので、高度なテクニックを必要とします。

歯が生え変わる時期に近いので、永久歯の成長の具合にもよりますが、抜歯になるかも知れませんね。

その場合、しばらく、歯がない状態となり、歯並びへの影響も考えた治療も必要となり、一度、小児歯科専門医に診断を仰がれたらいいと思います。

小児歯科の目的は、子供の歯を治すと同時に、いかに大人の歯がうまくいい状態で、生えてくるようにしてあげるか、ということが、大きな目的だと考えます。





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