現在2歳の息子がひどい虫歯でなやんでいます。 9ヶ月頃から前歯4本がうすく溶け出しました。 急いで歯医者に行きましたが、進行止めの薬をぬってもらっただけでした。 その後、すぐに断乳できなかったせいもあり、どんどん虫歯がひどくなりました。いまでは、前歯4本は半分くらい欠けてしまっています。 毎食後はみがきをし、甘いおかしやジュースはひかえるなど、努力しているつもりなのですが、どんどん虫歯が進行しているようです。 毎月検診に行っていますが、根本的治療はされません。小さいこどもには、治療はできないのでしょうか。 このまま永久歯にはえかわるのを待つしかないのでしょうか。また、永久歯も虫歯になりそうで心配です。 こどもがにこっと笑うたびに、黒くちいさくなった前歯をみて、自分を責め、悲しくなります。他の子はぜんぜん虫歯なんてないのに・・・ いくらお金はかかってもいいので、何かよい治療方法を教えてください。どうかよろしくお願いいたします。 |
>どんどん虫歯が進行しているようです。 虫歯は、虫歯菌で発生するのですが、発生しやすい子供さんとそうでない子供さんがいます。 どうしてそんなことが起こるかという事ですが。虫歯は、虫歯菌の存在だけでは起こりません。いくつかの条件が重なった時に発生します。 次の3つの輪(条件)を考えてみましょう。 1.歯自体の質 つまり、もって生まれた、歯の虫歯菌に対する抵抗性や、質的問題です。 2.虫歯菌の存在 これは、だれでも、常に口の中にいる可能性があります。 3.砂糖・糖分の存在 この、3つの輪が重なり、もうひとつの条件、時間がたてば虫歯が進行するということがわかっています。これは、カイス(学者の名前)の輪と、呼ばれています。 このなかで、1と2については、どうにもならない条件で、結局糖分のコントロールが決め手になります。 もう一度、育児をじっくり振り返って見て、糖分の与え方に問題はないか?見直しをしてみてください。 特に、大切な事は、節度ある与え方と、寝る前には与えないこと、不規則に与えない事、おやつのバリエーションを増やす(砂糖の入っていないものなどを交互に与える)事が大切です。 かといって、糖分を眼の敵にして、CMに惑わされて、キシリトールとか代用糖ばかりにする必要もありません。 そんな物がなかった時代にも、子供の歯は守れていた訳ですから、適当な糖分も、子供の発育には必須のもです。糖分が悪いと言う考えも間違っています。要するに与え方の問題なんです。 >進行止めの薬をぬってもらっただけでした 子供の歯の虫歯の治療については、様々な配慮が必要です。 極小さなものは、フッ素塗布で十分対応できます。フッ素には、自然に石灰化を促す作用があります。 ある程度進行した虫歯の治療について、最も大切な事は、永久歯の交換をうまく誘導して行くことを最大の目標にしています。 ちょうど、その頃の前歯は生えかわりへの準備をしだしている歯です。 子供の歯の治療について、なるべく神経治療を避ける事が望ましいです。理由は、子供さんの治療への協力度にもよるのですが、無菌的に神経治療を行なう事が、なかなか難しい事と、へたに神経治療をする事で、すぐその下に控えている永久歯のたまごへの影響を避けたいと思うからです。 もちろん,すでに神経まで感染が及んでいるケースや、痛みなどの自覚症状がある場合は、神経治療が必要ですが。 神経に及んでいないケースでは、本来的には、感染を受けている歯質を完全に除去する必要があります。その結果、やむを得ず痛くなかった神経を処置する必要が出てきます。 これを避ける為に、大きく破壊を受けている歯質だけを取り、進行抑制剤を塗布して、虫歯の進行を食い止め、神経管までの細菌感染の広がりを阻止しつつ、永久歯への生え変わりを待ちつつ、コントロールできたそすれば、永久歯はダメージを受けることなく生え変わる事が出来ます。 やや治療としては、姑息的手法ではありますが、ひとつの選択であると思います。 ただ、プラスチックの被せをその上に覆う方法もあるのですが、保険でも自己負担が高く、かつ、プラスチック素材を子供さんの口の中に、入れておくことの問題(ビスフェノールとか環境ホルモン溶出の可能性)を考えると、あまり推奨できないです。また、歯冠の崩壊が進んでいると、その被せ物の維持を取ることも難しくなります。 どうしても、審美面で気になるようでしたら、担当医に御相談ください。 治療終了後は、フッ素塗布を受けられれば、虫歯抑制にかなり効果があります。 日本の水道は、フッ素など天然の重要なミネラル分が少ない水です。天然のミネラルウォーターには入っております。 先進諸国や発展途上国では、ずいぶん昔から、フッ素をを強化して水道水に配合している為に、子供の虫歯はほとんど抑制できています。その点は、日本は発展途上国以下であると思います。 >また、永久歯も虫歯になりそうで心配です。 子供時代の、歯の,虫歯になりやすい傾向は、そのまま永久歯交換期に引き継がれ、しばしば、幼弱な永久歯も虫歯になりやすくなります。 その意味で、糖分をコントロールする育児と、子供に対する歯科衛生教育が大切になります。 また、御両親特に、母親のの嗜好(甘いものが好きとか)や歯磨き習慣は、子供さんの虫歯発生率と大きく相関性があります。 その意味で、子供さんとともに、保健所や、小に歯科における母親教室などで、相談されたり、勉強されるのも大切だと思います。育児大変でしょうけど、頑張ってください。 |