私の勤務していた診療所では、当然のように不正請求を行っていました。
私は最初、わからなかったのですが助手の女の子がカルテを見ながら不思議そうな顔をして「こんな処置してないのに。」と言ったことから、不正請求しているということに気づきました。
だんだんエスカレートして、処置していない治療まで行なった使ったようにカルテに書き込んでくるようになったのです。
私は抗議した上で、その診療所を辞めましたがいまだに不正請求が行われているのかと思うと怒りに震えます。患者さんを何だと思っているのでしょう。
 こういう場合、どこにこの問題を訴えれば調査してもらえるのでしょうか?
歯科医師会や警察に窓口はあるのでしょうか?
 

実際に勤務医から、色々な診療所の内部の情報を聞くと、巧妙に不正請求しているケースが多く、あきれることがあります。
不正請求は、患者さんが一部負担金であることや、レセプトを直接見ることはないですから、患者さん側の訴えで発覚することは殆どありません。

今後、歯科医院がますます増加して行き、経営が圧迫されると、巧妙な不正が増加することは考えられます。しかし、これは、許せないことです。

このような不正を正す、最も有効な手段として、欧米ではサイレント・ホイッスル(内部告発)が最も有効な手段として定着しています。内部告発者の人権と秘密を厳守するのと引き換えに、内部告発してもらう制度です。

日本では、内部告発は、伝統的に「ちくる」とか、「犬」呼ばわりされ恥の文化があったために、定着していませんが、最近は急増しています。
不正を正す為に有効であることが認識されてきたからです。

確実な方法を書きます。まず、各都道府県の県庁や、府庁に不正請求を監視するセクションが必ずあります。例えば、大阪府の場合、福祉部社会保険管理課医療係 があります。
他の都道府県にも、同様の課や係があります。
おおむね、「医療係」が一般的です。
そこに、まず電話をかけて、医療機関の不正について、訴えて相談してください。

どのようにすればいいかが指示されます。通常このように指示されます。
できるだけ、内部において、不正にあったカルテや、レセプトの番号、及び不正の内容(水増し請求・架空請求に事実や、状況)の詳細についてメモしてください。
コピーをとることは、法律上問題があります。カルテのコピーや持ち出しは法律で、禁止されています。
この、メモをもとに、めんどうでも文章におこし、あなたの、身分を明らかにして先の機関に送付してください。もちろんですがあなたの、秘密は確実に守られます。
あなたの告発が、知られる可能性はありません。告発があった事実も通知されません。
このように文章で、提出されると間違いなく、内部調査が開始されます。(内偵で証拠を集めます)
これは、対象となった(不正請求の対象となった)患者さんに聞き取り調査を、行なわれ、事実が判明すると、その医療機関のレセプト全ての詳細なチェックが行なわれ、証拠を集まられた上で、医院に対し調査が入ります。
調査段階でカルテの偽造や、レセプトの返還を申し出ても間違いなく、矛盾が生じ不正が発覚します。
その後、行政処分の対象となります。
電話だけの匿名の告発の場合、よほど、悪質と思われるものでない限り、調査はされません。よく後日トラブルが発生するからです。あるいは、いたずらもよくあります。
 
さらに、あなたが、本当に許せないと思ったときは、並行して、念の為に、出きる限り多くの新聞社社会部に連絡してください。
たいていの場合、記者が単独で対応してくれます。
二通りの対応があります。上記公的機関が動いてくれない時、再度連絡してください。という対応と、記者が独自に動いてくれるケースがあります。これは、対応してくれるのが新聞記者ですので、どれだけあなたの訴えが、アピールするかによって対応が異なります。
>歯科医師会や警察に窓口はあるのでしょうか?
医師会に訴えるのは、まったく意味がありません。弁護士会などとは、まったく性質の異なる団体です。
全ての開業医が所属している訳ではないですし、任意団体なので権限や、強制力はありません。
同業者組合的要素が強く、医師や歯科医師の利益団体ですから、そのような告発はフェアーに処理されない可能性があります。

警察に訴えることは、まったく無意味です。民事不介入の原則がありますので、相談に乗ってくれるかもしれませんが専門外と言うことになります。

現在の、歯科医療のみならず、医療の不正を正す手段として、内部告発が最も有効な手段であると言われています。

実際に、不正請求が発覚するのは大半が内部告発であることからも有効であることがわかります。勇気を出して、不正を正してください。内部告発することは、決して恥じることではありません。


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