私は37歳、男性です。 私は人よりも口の中が敏感(?)なのか口の中の少し奥の方を 触られるとすぐに「おえっ」となってしまい、口を開けていられなくなってしまいます。 私はこれが原因でここ20数年歯科医院へ行っていません。 最後に通った歯科医院でたいへん苦しい思いをしました。 いささか大袈裟ですが、呼吸困難で死ぬかと思ったくらいです。 この時医師にこの苦痛を訴えたのですが「大丈夫」「我慢して」というだけでした。 「痛さ」はいくらでも我慢できるのですが この「おえっ」となってしまう感覚は自分でコントロールすることが出来ません。 この事をまわりの人に聞いてみてたのですが私と同じ悩みを持っている人は ひとりもいませんでした。 そこで質問なのですが、 ・私のようなタイプでも苦しまずに治療をする方法はありますか? ・私と同じような患者さんは実際にいらっしゃるのでしょうか? ・これは体質的な問題なのでしょうか。あるいは精神的な面もあるのでしょうか? |
嘔吐反射と呼ばれる反射で、個人差がありますが、誰にでもある反射です。 口の中に異物が入ると、反射的に嘔吐します。 そのような場合は、まず、事前に「嘔吐しやすいこと」「嘔吐が怖くて歯医者に行けなかった事」などを診療に先駆けて主治医に申告してください。いくつになっても、別に恥じる事ではありません。 むしろ申告しておく事によって、そのような偶発的な反射や、不快を未然に防ぐように誘導できるからです。 そうでないと、最近の診療スタイルは、水平診療が主体で、仰向けに寝転んだ体制での診療スタイルが主流で、この姿勢では、より嘔吐しやすいからです。 >私のようなタイプでも苦しまずに治療をする方法はありますか? まず、診療スタイルとしては、座ったまま、せいぜいたいすを倒しても45度以内にしてもらいます。 ちょうど45度付近で、この嘔吐反射は頻発します。 型をとる時は、顎を引き、鼻で呼吸するようにしてください。苦しくなって口で呼吸すると、嘔吐反射が誘発されます。 この時、少し下を向き、口の中の唾液をボールやコップ、ティッシュなどで受けるようにしましょう。 事前に申告があると、殆どの場合、この方法で問題なく治療が行えます。また、歯科衛生士やアシスタントが反射を起こさないように誘導してくれたりしてくれます。 それでも、嘔吐反射がひどいケースでは、スプレー式の表面麻酔で、喉の奥を軽く麻酔します。こうすると、反射は、かなり軽減します。 心理的な要因でも起こることがあるので、その場合は、鎮静剤を事前に内服したり、笑気ガスを吸入する方法がありますが、どこの医院でも対応できる物ではありません。 >・私と同じような患者さんは実際にいらっしゃるのでしょうか? たくさんおられます。しかし、事前に申告していただくと楽です。 >・これは体質的な問題なのでしょうか。あるいは精神的な面もあるのでしょうか? 口腔内の解剖学的問題(やや舌が大きい、逆に口が小さいなど) 多い唾液量 呼吸方法(口呼吸は反射が起こりやすい) 心理的要因(過去の記憶や、潜在的恐怖心) ドクターやアシスタントの技術的問題(嘔吐しやすい場所への吸引や、荒っぽい扱いなど) 等が問題になります。必ずしも体質的・精神的とは言えません。 |