昨年11月,左下の親不知を抜いた後,歯茎が盛り上がってきて,奥歯が磨けない状態になり,神経をとらなければならないほどの虫歯になってしまいました。その盛り上がった歯茎が痛み,「軽い歯槽膿漏だ」と言われました。他の部分もその気があり,特に左下の奥歯は,支える骨がなく,かなりぐらぐらしているとも言っていました。直るのでしょう
か?

また,レントゲンの上右のちょうど頬内部に当たる,本来なら空洞であるはずのところが,
白くもやもやしており,口腔外科の診断を勧められました。何なのか不安でたまりません。

>奥歯は,支える骨がなく,かなりぐらぐらしているとも言っていました。直るので

一般に、歯周病は、歯周回りに常にいる歯周菌が歯石となり、常に内毒素を放出し、その結果慢性的炎症を抱え、さらには、その周辺の歯を支えている歯槽骨の破壊が起こる病的な状態です。
原因である、過剰な歯周菌の固まりである歯石の除去や、腐敗組織の除去によって、進行を食い止めることができます。しかしながら、失った骨については容易に回復しません。(年齢にもよりますが)、

しかし、完全に原因を取り除き、かつ、定期的な予防処置を行なうことにより、周辺
織の組織的結合も期待され、若干の歯のゆれであれば治まることもあります。また、固定などを行い進行を止めることも出来ますが程度によります。
歯周病を治すことは、理論的には不可能です。
いつも歯周菌と同居しているからです。
したがって、病的な状態をベストな状態にしてかつ、その状態を人為的に維持して行く(予防管理)という考え方をしていかねばならないでしょう。
歯周病は老化現象の一種として認識しておく必要があります。

> また,レントゲンの上右のちょうど頬内部に当たる,本来なら空洞であるはずのところが,白くもやもやしており、口腔外科の診断を勧められました。何なのか不安でたまりません。

本来なら空洞である部分とは、一般には副鼻腔とも言われます。洞穴のような構造になっています。
副鼻腔は、上顎洞や篩骨洞、蝶形骨洞、前頭洞などの洞穴のような構造が連なり、上顎洞を中心にして鼻腔を介して連絡しあっています。
そのために、上顎洞が感染を受けてしまうと、色々な洞(洞穴)に広がっていきま
す。
上顎にある小臼歯や、臼歯の根っこの先端と、上顎洞の底の部分は接近しており、神経の汚染や、歯周炎によりそれらの歯の先端部分にまで、炎症が広がっているケースでは、結果としてこれらの上顎洞にこ感染が広がり、蓄膿症(上顎同炎)を引き起こします。
これを歯性上顎洞炎と呼びます。
上顎洞炎に炎症が広がると、レントゲン上では、本来なら空洞である部分が白くもやもやとして見えます。
その先生は、歯周病による歯性上顎洞炎を疑ったのだと思います。
通常、上顎洞炎は耳鼻科病変からの感染が多いのですが、歯からの場合もあり、その辺の鑑別と、状況により耳鼻科との連携した治療が必要となるために口腔外科の診断を進められていると思います。


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