歯磨きをしっかりしようと、猿のコーナーを見て、歯石取りに行きましたが、

検査はなく、機械で、歯の根本あたりを掻いた後、上下の前歯の間を、針のようなものでがりがりやって、「とれましたよ」と言われました。「これで終わりですか?」と聞くと、「ええ、終わりましたよ」との答え。確かに、歯はツルツルしてきれいになったのですが、これで完璧なのでしょうか。少々不安になったので、質問させていただきました。

ちなみに、処置は歯科医がやってくれて、料金は、ヤニ取りも含めて1600円程度でした。

また、以前にもこの歯科にかかったことがあるのですが、そのときは言われなかったのに、今回は、「奥歯が欠けているので来週来てください」と言われました。最近は開業医の競争が激しいことも承知していますが、少し、疑問に思うので・・・

歯石はホームページにも書いてありますが、歯の周囲にある溝に、生息する歯周菌の集合体である歯垢(ブラッシングによって、除去が可能)が、石灰化したものです。

ブラッシングでは絶対に取り除くことは不可能です。

歯石から産成される、細菌毒素により、歯肉組織の破壊、歯槽骨の破壊によって、歯周病は進み歯を喪失していきます。のみならず、消化器系の成人病疾患の誘発につながるばかりか、後々の生活の質に大きく影響を与えていきます。

歯石は、歯周病の進行状況によって、取り方が変わってきます。

軽い歯肉の炎症(歯肉炎)レベルでは、超音波スケーラーと呼ばれる道具で、はじいてしまえば、完全に取れます。

しかしながら、通常、さらに進んだ歯周病と呼ばれる状況では、程度の差こそあれ、歯肉の溝の中にまで、歯石は入りこんでいます。

これは、キュレットと呼ばれる、鎌のような道具で、手作業で取るか、専用の器具を用いてとります。

また完全にとらなければ、意味がありません。なぜなら、歯石は細菌の塊ですから、取り残すとあっという間に増えます。

さらに、歯肉や歯槽骨に非可逆的な炎症や、組織破壊がある場合は、外科的切除も必要になることがあります。(歯周外科)

したがって、歯周病に対応した歯石除去と言うのは、歯周病の治療の一環として計画的に行われるべきで、事前に審査(歯周検査)する必要があります。

予防的、歯石除去とは、異なっていきます。

口腔内のどの部位がどの程度に、歯周病が進行し、それに対応した、歯石の取り方があります。

さらに、歯石を取ったことが、意義があったのか、術前に対して、出血が止まったとか、歯茎の腫れが無くなったとか再評価を行い、改善されていないところはさらに、歯茎の中、ないしは、歯の根っこに付着した歯石をとらなければなりません。

これらは、患者さんには、自覚症状の疎いので、検査結果よく理解した上で、歯石を取ってもらうことが肝要です。

こうして、治療としての歯石除去が終了し、さらに。再検査を行って、歯周病が治癒しているか、あるいは病状が安定しているかの判定を受けた後、専門的な継続管理を受けることが出来ます。

継続管理中のスケーリングは検査を行うことなく、スケーリングや、指導を受けます。

必要と思われたとき検査を行い、結果次第で、また、歯茎の中に存在する歯石を取る。これを繰り返していきます。

保険による初回の金額です。(初診で、かつ、衛生士による指導を受けた場合)

1点は10円です。

初診料               186
歯周基本検査           200
歯周疾患基本指導管理料    65
歯科衛生士実地指導料      80
スケーリング           60+40×5=260

以上       合計 791
国民健康保険 3割負担なら 791×3=2373円(2370円)・・・(1)
社会保険    2割負担なら 791×2=1582円(1580円)・・・(2)

となります。  衛生士がいない場合は、ドクターが歯石を取ります。
この場合、歯科衛生士実施指導料は、算定できません。

いすれにしても、保険で、歯石を取られた場合、医学的見地からも、保険請求システムからも、検査は、必要なわけで、検査無しで、歯石を取られた場合は、検査料も取られているはずです。

もし検査せずにとったら。不正請求に当たるでしょう。また、治療としての歯石除去はどう言う根拠で除去されたのか理解できないです。

歯石をとられた方が、ドクター以外である場合は、歯科衛生士しか取れません。無資格の助手に取らせた取らせたとすると、問題があります。

ただし、上記料金に、必要に応じてレントゲン写真や、お口の型を取る場合があります。この場合、それらの料金が加算されます。

通常、顎の骨全体や、歯の状態を総覧するするためにパノラマ写真を取ります。(374点)また、簡単な模型を取られた場合(50点)が加算されます。
3割負担なら、これらの3倍、社保なら、2倍が加算されることになります。

料金が1600円ということから、もし、社保2割負担と仮定すると(2)で、切り上げ1600円と言うことかもしれません。

ただしこの場合は、歯科衛生士によるブラッシング指導を受けたことになりますし、検査もしたことになります。

もし、衛生士の指導も無く、検査もしていないで、この料金なら、どうして、その料金になるのか、わかりません。料金請求の根拠を確かめてください。

また、衛生士による指導をを受けなかった場合は、歯科衛生士実地指導料  80点の分、安くなります。

この歯科衛生士実地指導料  は1ヶ月の間何回指導を受けたとしても、一回しか算定されません。

いずれにしても、保険では、検査なしでの歯石除去はありえません。一度とった後、くるたびに歯垢をとる分には検査はいりませんが、その場合の料金は(P処10点)で、患者負担は多くても30円です。

歯石除去後しばらく、間を置いて、再検査がありますがその場合は、検査料が必要です。

ただし、自由診療なら、何の規制もありませんし、検査なしで行えます。

保険診療では、病名がつかなければ処置はでません。したがって、正常な人が予防的に歯石を取る場合は保険は適用できません。

しかし、実際には、歯石のある人は、程度の差こそあれ、歯肉に炎症があります。その病名を確定し診断するためと、治療後の評価のために検査はしないとわかりません。

自由診療になると。もっと高額になります。

なお、その治療が、完璧であったかどうかは、私は、評価できません。請求と実際の治療内容は異なるからです。その先生の技量によります。




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