私は歯の治療がとても怖くて治療のたびドキドキしていたのですがかかりつけの歯医者さんにとても興味深いポスターが張ってあるのを見つけました。

それは歯の治療が怖い人には笑気ガスというものでリラックスさせてくれるという内容でした。

ポスターのイラストは診察イスに座っている患者さんが笑気ガスを吸うと、まるで南の島のビーチにいるようないい気持ちになって、治療がまったく怖くなくなるというふうに書かれていました。

そんないいものがあるのなら是非やってみたいと思いましたが、他の患者さんでされている方もいなかったし、自分からお願いしますというのも言いにくく(怖いと思っているのを知られたくないので。)
結局は試すことができませんでした。

笑気ガスというのは一体どういうものなのでしょうか?
そんなに気分が良くなるなんて麻薬みたいなものなんでしょうか?
私はアルコールや麻酔にとても弱いのでもし笑気ガスを吸ったら酔っぱらいみたいにおかしくなるのではと心配もしています。


いわゆる精神鎮静法の一つです。
使いやすさと安全性から、一般的に用いられています。吸入麻酔の一種です。

これは、治療前に20〜30%の笑気ガス(亜酸化窒素)と70〜80%の酸素の混合ガスを吸引します。そうすると、恐怖心がなくなり、疼痛閾値が高まります。(痛みに鈍感になる)。

但し、子供さんなどでは、泣き叫ぶ子供には適用できません。前提として、患者さんの協力が必要です。

>ポスターのイラストは診察イスに座っている患者さんが笑気ガスを吸うと まるで南の島のビーチにいるようないい気持ちになって治療がまったく怖くなくなるという
ふうに書かれていました。


実際に私も経験がありますが。決して、南の島のビーチにいるような気分じゃなかったです。
だいたい、南の島にいる気分?ってどんな気分なんでしょう。
南の島のビーチで働いている人は、みんな笑気を吸っているような気分なんでしょうか?

私の経験では、笑気を吸い出すと、匂いも味もありません。少し不安な感じ。
数分すると。ボーっとしてきます。モルヒネを打ったときのような気分の爽快さはなかったです。(私は、モルヒネも経験があります。ケニアで肝臓の寄生虫にやられたとき、痛みの為に、モルヒネでコントロールしてました。これは、気持いいです。)

やがて、少し、頭がふらつくような。なんだか、すーとエレベーターで下るような気分がしてきます。
周りの、会話や、音が聞こえているし理解もできるのですが・・・なんだか、右の耳から左の耳にすーすー抜けていくようで残らない感じです。(元々そうなのですが、なお一層)。
前を見ているようで、壁の向こうが見えそうな感じ。
眼球があまり動いていない。まばたきをするのも面倒な感じです。

遠くをぼんやりと見ているアンニュイな感じ。(どうでもいいや!ボーとする)

さらに、実験的に許容量を越えると、腰からスーと落下するような気分それも、どんどん落ちていくような感じで、怖くなって、笑気を切りました。
これは、実験的な吸入で、実際はここまでは、吸入しません。

実際の私の体験では、このようでした。

この、麻酔法はどのような人に有効であるかということですが。

疼痛性ショック(ちょっとの痛みでも失神する)を起こしやすい人。
過呼吸症候群(怖さにあまり、息が荒くなり、はーはーしすぎて失神する)を起こしやすい人。
高血圧症の人(普通の麻酔が使えないレベルの人、普通の麻酔を打つと血圧が上がるため)
狭心症の人(普通の麻酔が使えないレベルの人)
咽頭反射、嘔吐反射のひどい人(すぐ、オェッ!となる人)
緊張するとフリーズしてしまう人。(カチカチの棒みたいになってしまう人)
長時間の歯科治療が必要な場合。

等です。

ただし、肺に問題がある人(気胸や、イレウス)は絶対に出来ません。肺の中にある、病的な空洞が拡張する可能性があります。
また、安全であるとはいえ、喘息の方や呼吸器系に問題のある人は避けたほうがよいと思います。

絶対にしてはいけない人としては

元々治療を受ける気のない人。(あまり効果がない)
精神的障害があり、先生の指示が理解できない人(麻酔の調節が出来ない)
脳性麻痺など不随意運動(無意識の運動)が強い人
てんかんの既往のある人。
妊娠初期の人
重症の全身疾患がある人


>私はアルコールや麻酔にとても弱いのでもし笑気ガスを吸ったら、酔っぱらいみたいにおかしくなるのではと心配もしています。

このガスは、アルコールとは作用の仕方が、まったく異なります。脳の中枢神経に直接作用します。
したがって、アルコールに弱い強いはまったく関係がありません。

もし、上記に述べた、適応症の方であれば試して見られてもいいと思います。

ただ、この笑気を吸ったからといって、治療の痛みがなくなるわけではありません。
さらに、注射による麻酔が必要です。ただ、怖さは、なくなるようです。

注射がやってくることはわかるが、どうでもいいや!と言う感じで、気にならなくなります。
ちょっとチクッとするけど。ま〜いいか?とか、思ってしまいます。

これで、大たいの雰囲気は、つかんでもらえたと思います。

でも、実際は、余り使わないほうがいいと思います。事故もないわけではありませんから。
あまり、気分のよいものではありません。



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