お忙しいところ、すみません!いつもこのHPを開いて勉強したり、楽しんだりしている**と申します。歯周病について質問があります。最近自分の口の中左上の歯について、なんか臭いが気になって、不安を感じています。
出血とかはありませんが、きっと、歯周病だろうなぁ・・・と思っています。

質問
1.歯周病は、歯磨きでは治らないのですか?
2.どんどんうつって広がっていくのですか?
3.どんな治療をするのですか?
4.保険はきくのですか?

> 1.歯周病は、歯磨きでは治らないのですか?

歯周病は、本来自分の歯の周りにいる細菌(歯周菌)によって、引き起こされていきます。

人間の体の組織には、しばしば、ある種類の菌が特定の場所にたくさん住みついて、他のもっと怖い菌がやってくるのを妨げたり、その他いろいろな有益な役割を持っていたりします。これらの常在する菌から人間は恩恵を被りながら健康を維持できるのです。

歯周病菌も本来的にはそのような役割があると考えられるのですが、増えすぎると、菌同士が結合して歯垢、(歯ブラシで取れる)をへて、やがて、歯石(歯ブラシでは取れない)と発展していきます。

いくら有用な菌でも、ありすぎると害をもたらします。歯石の中には膨大な数の歯周病菌が含まれており、これらの出す生活物質は内毒素と呼ばれ組織破壊と、骨の破壊をもたらします。また、増えすぎた歯周病菌を排除しようと血液が集合してきます。(炎症)

結果、歯茎の炎症、破壊、と言う病的な状況が発生します。これが歯周病です。

この現象は、老化やストレスと密接に関係しています。

原因である歯石を取り除かない限り、状況は改善することなく、無症状のままに進行していきます。
したがって、まずは、歯ブラシでは取り除くことの出来ない歯周病菌の塊である歯石(原因)を取り除き、病的状態を完全に治す必要があります。90%くらいの人は多かれ少なかれ歯石を付着させています。

歯石を取り除いたとしても歯周菌は依然として共存するわけですから、再び、たまっていく歯垢を歯ブラシで取ると同時に、取り残した歯垢が歯石に発展する前に定期的に歯科医院で専門的に取られるようにされれば、歯周病と言う病的情況には発展しないです。

> 2.どんどんうつって広がっていくのですか?

口腔内は、一つの閉じられた環境を作っています。1本の歯に歯石(歯周病菌の莫大な集合体)があったり、虫歯(虫歯菌のの棲み家)があったりすると、これらは、細菌によって引き起こされるわけですから。たった一晩で最大限に増殖を繰り返します。

歯の生えている歯茎(組織)は、連続していますし、お口全体が一つの細菌培養器のような役割を果たしているわけですから、病的状態があれば広がっていきます。

ひとたび歯周病になると順次歯を喪失していくのはそのためです。根本的な原因である、歯周病菌(歯石、歯垢)のコントロールを行なわない限り歯を失いつづけます。
しかも、無症状のまま進んでいきます。痛みなどの症状が出る頃は手遅れのことが多いです。

> 3.どんな治療をするのですか?

歯石の付着情況、歯肉の炎症の程度、歯槽骨の損傷の程度などを精密に検査して、歯周病の進行情況を把握します。

これらのデーターを元に、まず、直接的原因である歯茎より上にある歯石(歯肉縁上歯石)、さらに歯茎より下にある歯石(歯肉縁下歯石)、さらには歯の根っこの周りに付着した歯石を、レベルに応じた方法で段階的に取り除きます。

必要に応じ、破壊されて再生することない不良な歯肉や歯槽骨も外科的に取り除き再生を図ります。

さらに、こうして、もっとも良い口腔内環境を作ってから、歯周病を間接的に助長しているような、あっていない不適合な被せをやり変えたり、不正な噛み合せを修復したりして再発を防止すると同時に、専門的なプラーク(歯垢)コントロールを行ない口腔内の老化と歯石の付着を防止しながら、良い状態を維持していきます。(歯周継続管理)

> 4.保険はきくのですか?

上のような方法は、すべて保険適用です。ただ、手順どおりに完璧に行なえている歯科医院は少ないように思います。

歯科の病気はほとんどが、自らの口の中にいる細菌感染によるもので、細菌学的あるいは感染症学的取りくみによるアプローチが始まったのは、ここ最近のことで、昔から歯を抜いて入れ歯にしたり、被せものにするという、治療形態が主流であり伝統的方法だったからです。

また、このような、取り組み方は、根本的治療に時間がかかることと、歯医者をいやがる患者心理、優秀な歯科衛生士の人材育成の遅れ、患者への十分なインフォームドコンセントが必要となり、現行保険のシステムではあまり儲からない経営経済論理があるため、零細な歯科医院では人的問題、経営的問題もあり十分できない事情があると思います。

最近は、予防歯科も脚光を帯びはじめ、歯科医院も競争の時代に入ってきたため、自費主体の経営システムから予防を売り物にする大手の歯科医院の出現がニュースになったりするほどです。



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