「つまようじ法」が、口臭の改善に効果

私は、歯周病抑制の見地から、かねてより独自に「つまようじ磨き」「唾液磨き」を推奨し、また、誰でも簡単にできてかつ有効な歯磨き方法を考案し、紹介してきました。

又、ほんだ歯科に来院される患者さんの中で、歯周病管理を行っている方には、この方法によるブラッシングを勧めていますが、この方法によれば、高齢者の方でも安定した予防が可能となっています。
(関連ページ http://www.honda.or.jp/coushuu/saruhami.htm
さらにこの方法は、口臭に対しても強い抑制効果のあることが、医学的にも証明されている、という報告があるので紹介します。

つまり、理にかなった有効な歯磨きは、歯周病を抑制し、予防すると同時に、結果として口臭をも抑制していく、ということだと思います。

ブラッシングは従来から口臭の改善に効果的とされていますが、岡山大学歯学部予防歯科学講座のグループは口臭の測定器を用いて客観的な評価を試み、昨年4月から10月にかけて同意の得られた13人を対象に調査しました。

測定方法は、対象者の口にストローを入れて口臭の原因とされる揮発性硫黄化合物の濃度を測定。つまようじ法で歯磨きを1人平均7回繰り返し、濃度の変化を調べました。

その結果、13人の初診時の濃度は平均で250.2ppb(1ppbは10億分の1)でしたが、治療後は平均57.2ppbと約1/4にダウン。全員が側にいても口臭を感じない100ppb以下のレベルに下がり、中には1,100ppbから60ppb程度にまで激減した例もありました。(下図参照)

厚生省が30歳以上の約25,000人を対象に平成5年度に行った調査では、約3,500人(約14%)が口臭問題を訴え、口臭に悩む人は年々増加中とのことです。

口臭の原因は虫歯や歯槽膿漏、消化器系などとされますが、今回の調査によって、口の中を清潔にすれば、口臭が防げることが裏付けられ、つまようじ法を続けることで、長期的な口臭減少につながるものと考えられます。



AさんからMさんまで13人の初診時とつまようじ法で治療後の口臭濃度を測定した結果、全員が側にいても口臭を感じない100ppb以下のレベルに下がりました。

資料:岡山大学歯学部予防歯科学講座(第42回春季歯周病学会学術大会発表)