わ〜。今日は、教室がいっぱいだわ!
熱心な生徒も、ひやかしでやってきた生徒もおるな。ええよ。
おっ。一番前で、ノートまで用意して。
やる気満々な生徒は「にーは」かな?
お〜地蔵のおば〜ちゃんまで。「よ〜おこし。こけたらあかんで」
それでは、はじめるかな。
みなさんは、歯磨き、歯を磨くと言う動作、習慣について、どういう認識を持っておられます?あるいは、イメージで結構です。
参考までに、日本で最も権威ある辞書をひも解きましょう。
広辞苑には、意味としては、たったこれだけの説明です。
はみがき(歯磨) | @歯を磨いて清潔にする事。 |
何だか、あまり変わり映えしませんね。
次は、磨くを調べます。
磨く | @擦って清くし、または、光沢を出す事 |
A美しく飾る。装飾する。 | |
B金箔、銀箔などを被せる | |
Cいっそう輝かしくする。ますます映えさせる。光彩を添える。 | |
D上達しようと努める。練磨する。 |
どうです?だいたいイメージができてきました。見えてきましたね。
歯の汚れをとりたい、歯を白く保ちたい。と言うイメージ、あるいは、願望が込められているように思います。
あわせて、歯を磨くとすっきりするし。と言うところではないでしょうか?
この、概念が、おおかたの皆さんの「歯磨き」という、言葉に対するイメージでは、ないかと思います。
歯磨きの歴史的背景を考え、先祖の歯磨きを考えてみる。
温故知新
そもそも、歯磨き剤をつかい、曲りなりにも、歯ブラシを使うようになったのは、江戸後期で、目的は、歯を白くするためでした。江戸の粋として、白い歯がもてはやされ、塩に研磨剤(軽石の粉のようなもの)を混ぜたものを用いたのがはじまりです。
江戸時代の楊枝は、爪楊枝の役目をする小楊枝だけでなく、歯ブラシの役目をする総(ふさ)楊枝など、様々な楊枝がありました。当時、白い歯にするブームがあり、楊枝専門店のことを「さる屋」といいました。これは、当時の人が白い歯といえば猿を連想したからです。その時、初めて「歯磨き」とか「歯磨き屋」という言葉が日本歴史上に出現します。
でも、庶民は、時々、柳の小枝の切れ端の先をほぐした(楊枝房)と呼ばれるものがあれば、いいほうで、たいていは、爪楊枝で歯のつまりをとり、あとはうがい程度でした。。
余談ですが、私の祖母は、奈良生まれで明治初期の生まれですが、ずいぶんと前に他界しました。生前、私が小さい頃、歯を磨くと言う表現をこのように言っておりました。「ちょうずをつかわしてくれんか?(手水を使わせてください)」ちょうずというのは手水のことで、いにしえの言葉です。「ちょうずに行くという」と、トイレに行く事でした。そして、金たらいの水で、顔を洗い、最後に指に塩をつけ、歯と歯茎をしごいてうがいしていました。そのころは、小さかったですから、へんな磨き方するな〜、と今でも強く印象に残っています。八十くらいで他界しましたが、歯はほとんどありましたよ。おそらく、明治の庶民は、こんな感じだったんでしょう。
インドの片田舎や、アフリカの集落に行きますと。いまだにこんな感じでした。(8年くらい前ですが)タイの農村部に行った時は、歯磨き材は、なかったです。都市部では、日本と変わりませんが。
明治にはいって、ようやく、現在の歯ブラシ、(ほとんど現在のものと変わらない)、歯磨き粉が出現し、定着した歴史があります。
現在のように、ごしごし磨くスタイルは、やはり、歴史的には、最近の事である事が判ります。
それまでは、先が、刷毛のようになった、柳の繊維でできたブラシのような物で、必要に応じ、歯の汚れや、詰まった物を取り出していたようです。だから、今みたいに、ごしごしできませんね。
じゃー。もっと、前は、どうだったんでしょう?縄文時代の遺跡から、やはり、木の小枝のような、爪楊枝に似たものが発掘されています。現在の物より長く太いです。ちょうど割り箸をとがらせた感じです。
ほとんど、縄文時代から、江戸後期くらいまでは、似たような事をしてたわけです。
歯を磨く行為は、仏教伝来とともに、宗教的行為の一環として定着したそうです。
じゃ〜もっと前は、古代エジプト時代に、やはり同じ物が、発掘されています。
じゃーもっと前は?そりゃわかりません。ビートたけしの万物創世記にでも聞いてください。
しかし、野生の、チンパンジーや、さる達は、どうしてるのでしょう?
私は、かって、国立霊長類研究所(筑波)やモンキーセンター(犬山)で、研究のためかなりマニアックに、サルについて学んだ事があります。
野生のサルは、歯を磨くんです。しかも、どうも、意志を持って、目的を持ってやってるようです。
適当な小枝や、草の茎の端をくちで、しがんでみたり、それをブラシ代わりしたり、爪楊枝を使うようにしてみたりします。もちろん、歯ブラシに適した材料も、知っています。
他の野生動物はどうなんでしょう?実は、ちゃんとやってるんです。偶蹄類と呼ばれる草食獣達は、歯を磨かない代わりに、反芻します。じ〜としてるときは、いつもよだれまみれです。(唾液は、天然の、いかなる洗口液より優れた洗口液の役割を果たしています。)
偶蹄類以外はどうでしょう?
カバなんて、ばかですね!あいつは、ぐーたらです。飯食ったらぽか〜んと口開けてるだけなんです。そしたら、背中に泊まっていた、鳥がやってきて、カバの口を掃除するんです、歯に詰まった食べ残しを頂く代わりに、スケーリングまでするんです。カバは、衛生士を背中で、飼っているんです。あ〜カバにになりたい。私とこも、何人もいますが給料がいります。
キリンは、時々、柔らかい木に、歯茎をごしごししながら気持ちよさそうに器用にやってます。
その点、肉食獣は、やりませんね。百獣の王ライオンなんて、あくびでもしようもんなら、臭くて近寄れません。ケニアのマサイ・マラ国立公園で、野生のライオンを、数メートルの距離から間近に観察しましたが、歯の、半分くらいまで、歯石に埋まってました。
実は、これには、重大な秘密が隠されているのだと、推測します。これは、後で述べます。
おそらく、大昔の人は、サルの歯ブラシ方法をさる真似したに違いありません。サルが歯ブラシにつかう、それに適した、材料もパクッタのでしょう。実は、人間は、サルから、歯磨き方法を学んだんです。サルでも解る歯磨き教室にサルがこないはずです。さる達が怒ってます。「馬鹿にするな〜」って。
江戸時代に発祥した、はじめての、歯ブラシグッズを売る店、今なら、「マツモトキヨシ」みたいな店が「さる屋」と、呼ばれたのも、興味深いことです。
江戸時代より前の頭骸骨をみると、しっかりと歯が残ってますね。写真見ました?
たとえ、平均寿命の違いや、文化の違いを考慮したとしても。北京原人やジャワ原人の頭骸骨とかどこかで見た事あるでしょ?歯なんか抜けてないですね。
平均寿命が違うとおっしゃるけど、それは乳児死亡率が高すぎたためで、人の寿命は成人なら50〜60歳が普通なんです。食い物ちがうというけど、医学的には、それぞれの時代に、それなりの衛生学的危険はあったはずです。もっとも、簡単に歯を抜く歯医者はいなかった事は、昔の人が歯を失わなかった事に大きく貢献した可能性はあるでしょう。奥歯は、自然状態でも、脱落しにくい解剖学的特徴を持っているし、素人が麻酔なしで、抜くのは、大変であったろうと思います。
本当は、歯科医が出現したことによって、ますます、歯が残ってこそ医学の進歩といえるのじゃないだろうか?
逆に、歯を取ってしまって、リハビリである、入れ歯や、インプラントとか、そういう方面は進歩したが。
なんだかね?どうも腑に落ちないのですが。そう思うのは、私だけでしょうか?いかに、歯を残すかという努力と、医学的セオリーの進歩はしたのでしょうか?
少なくとも、美意識に目覚める江戸末期以前の日本人は、宗教的行為、あるいは、生理的不快と、若干の無意識の口腔衛生学的目的で歯を磨いたわけだ。
でも、歯を研磨すると言う意味では、もう、限界に近いほど歯磨き材の質は向上している。
それどころか、大半の人が自分の歯まで削っているのが実態だ。
歯の表面のエナメル質は、かなり堅いガラス並みの堅さなのだけど。ほとんどの人は、小臼歯に楔(くさび)状の欠損を起こしている。挙げ句の果てに、知覚過敏まで起こして、「虫歯ないのに、冷たいビールのまれへん!なんとかして」という、河内のおっさんの嘆き。「しみるから、虫歯やおもて、ごしごしやってんねんけどな」..そりゃ、よけ、しみるで〜。
皆さんは、いや、歯科学を専門的に学ぶ前の、かっての私もですが、この、審美的要求が無意識に働き、なんとなくごしごしします。
時に、力を込めて、その方が、歯も美しく口も綺麗になる気がします。歯茎のマッサージもできてるかもしれないと思います。
その結果、歯を削り取り、歯周病で、はれぼったい弱くなった歯茎に傷をつけまくっているかもしれません。
一度、歯磨き剤をいつも使ってる歯ブラシにつけて、いつもと同じ力と方法で、あなたの、ピカピカの愛車を磨いてみてください。
あるいは、歯の表面とほぼ同じ堅さの、今ごらんのコンピューターのモニターの一角を1週間だけ磨いてみてください。どうなるか解ります。
ガラスを磨くように、靴を磨くように、歯を磨いてません? しかも、同じような感覚で....
その割に、口臭が取れなかったり....歯茎から出血していたりします。
日本人の歯は、元々黄色いのです。骨の色なんです。白人や、黒人は、かなり白いですが。
あなたは、コンピューターや、インターネットまでやって、ほんだ歯科のくだらないクイズにメールを出せたりできます。普通の標準的、日本人からすると、ほんとに限られた、一部のインテリ層に属する人達です。コンピューターを買ったり(えっ!職場から?ただで見てる?仕事してるふりして?やるね〜)、歯磨き教室みてみよか。とか思う人たちですから、歯科に対する意識レベルの高い、少しは、ゆとりのある集団なんです。もっと、高い目的を歯磨きに求めている方達だと思います。
私の目指す指導の対象者は、もっと、意識レベルの低い人たちや、訳の分からんおっちゃんやおばちゃん達なんです。そのつもりで、これから、先を読み進めてください。
ところで、今のあなたの歯磨きで何が不満なんですか?
磨いても磨いても歯茎から血が出る?今まで、気をつけてきたのに、人一倍、歯ブラシしてきたのに口臭がする?
歯石が取れない?もっと、楽な磨き方したい?(わかりますよ)
審美的目的より医学的目的としての歯磨きをしたいわけですね。
そして、今よりも楽したい。できたら、楽して有効な歯磨きができたらええ訳やね。
おっけー。了解。それなら、私もやってます。ほんだ歯科の大半の患者さんもやっておられます。
一般の方達よりはるかに意識レベルにお高い皆さんは、1度や2度は、雑誌なんかに書いてある記事や、あるいは、どっかの衛生士に聞いた受け売りのバス法,とかスクラビング法とか、知ってるでしょう?うまくできないでしょう?...どうしてだと思います?..
指導してる人たちが実は、よく分かってないんだと思います。みなさんのことを。
あるいは、本当は、やる気がない。どうせ、人事だし。
だって、もし、虫歯や歯槽膿漏が完全に予防できる事ができたら、歯医者は、少なくとも今の半分くらいは、いらなくなるじゃないですか?
でも、一応、ポーズは、とっとかんなあかんし。
アメリカなんかすごいよ。水道にフッ素ぶちこんでるもんね。お陰で、子供の虫歯は、激減。ドイツじゃ、仕事を変えたりしてるドクターがいっぱいいます。食えないから...
日本の場合、「それじゃ〜歯医者食えんやないか!」という事で、お偉方が反対した。表向きの理由は、副作用で、斑状歯(歯が一部白くなる)が出るかもしれんという事らしいけど。それはええけど。それよりはるかに多くの虫歯の子供を作ってるいるじゃないのと思うのだけどね。
アメリカをはじめ、先進諸国のほとんど、水道にフッ素をぶち込んで、問題になってるかしら?文献によると子供の虫歯の50%、大人なら60%も虫歯が減少します。あっといまに、医療費の削減につながりますね。
その割に、日本の小児歯科の先生は、予防にフッ素塗って儲けてる。それで、フッ素は、ええぞ〜ということで、ちまたには、フッ素入り商品が溢れてて、高いもん買わされる。なんか矛盾してるな。そう思いませんか?水道にフッ素ぶち込んだら、一気に解決するよ。それが証拠に、山口県の秋吉台当たりの水道は、天然のフッ素が入ってるから、子供の虫歯は、少ない。よかったね。
予防と治療は、歯医者にとっては、矛盾なんです。真剣に予防なんかしても、第一、儲からないし、手間がかかります。あなたが、歯医者だったらどうします。おまけに、建前上、予防は、保険がききません。
抜きまくって、次から次へ歯が無くなっていくほうが。あるいは、歯槽膿漏で苦しむ人が続出するほうが、金になるし、ありがたがられるとは、考えませんか?
あるいは、そういう本音を持っているドクターが増えても不思議はないと思いますよ。これだけ歯医者が増えてくれば。
だから、実践できそうもない予防方法が氾濫し。歯科関連会社は、あたかも、これで、大丈夫みたいな、役に立ちそうもない商品を山のように提供し、若い、女の子を扇動します。皆さんは、キシリトールが良いといわれれば飛びつき、ブームが去ると、また違う物に飛びつき、振りまわされて、躍らされて、金ばっかりかかる。最終的に、入れ歯になっていき、歯医者に行けば「歯を磨け!」といわれ、やってるのだけど...とジレンマに陥る日々を送るわけです。もう少し、賢くなって、惑わされないようにする必要があると思います。
そう言えば、「3,3,3,運動」とか、馬鹿な標語。笑ってしまいますね。風邪にルルじゃあるまいし。
その当時は、私も、あなたがたと同じ立場でしたから大変やな、と思いましたよ。ちょっとの間、真に受けて、やってましたよ。
食後3分、3分間、日に3回歯をも磨けでしたっけ?
歯磨きの会社が、儲かるわけだ。陰謀じゃないかな?
某歯磨き会社の発表では、20代OLの約半数がやってるというけど。ほんとでしょうか?
じゃー男性は?なぜアンケート取らないの?30代や、40代、それ以上のほんとに、歯ブラシが必要な人達のアンケートは、どうして取ってないのだろうか?都合の悪いデーターがあるのかな?
そんなもん続くわけないでしょ。確かに、よい事ですけどね....
毎日、歯ブラシもって歩くわけ? 使って濡れた歯ブラシどこにしまうねん? いつも、3分の砂時計持ち歩くんか?
..と思ってました。
食後は、ゆったりとコーヒーでも飲んで、せめて30分は余韻を楽しみたいもんです。なんで、3分めに磨かんなあかんのです?
デートしても、食事後すぐに「ちょっと待って、食後3分だから、歯磨いてくるね!」とか言って、ポケットから歯ブラシセット出して、ニヤッとする彼氏と付き合いたい思います?
中国の「戦国策燕策」に出てる故事に「傀(かい)より始めよ」という言葉があります。言い出した人から始めなさいという意味です。
私は、いまだかって、333先生を見た事がないですよ。ひょっとしたら、どこかに、かたまっているのかな?自分たちができんことを、していないことを、どしろうとに言うなちゅ〜の。
もし、歯周病(これは、高齢化社会の現在 、ほとんどの人がこれから先、程度の差はありますが、影響を受け、ほとんどの場合、生活の質に悪影響を与えます。)に、対する予防としての歯磨きという事であれば、根本的に考えを変えねばならないと思います。
でも大丈夫、理屈が分かれば、おのずと、簡単にできます。しかも医学的に。今、皆さんに最も欠けている事は、テクニックじゃなくて、歯磨きの目的であったり、正しい知識ととポリシーです。目的地が決まるとそこまでの地形(チャート)が解らねばなりません。そして正確なコンパス(羅針盤)これを皆さんに、提示していきます。
どういう船に乗るかは、皆さんの、懐と(経済状況)、体力しだいで自分で決めてください。
マイペースで良いのです。沈まないタイタニック号に乗り込んでもいいし、いかだに乗っても、目的地に着きます。
あなたの目的地(これからの歯磨きの目的)は、今ある歯を終生残す事と、へぼい歯医者に抜かれないように自分の歯を守る事です。舟の種類(歯磨き道具)とチャート(ブラッシングを意義ある物にするための医学的根拠と注意点)、羅針盤(その人のレベルに合ったやり方)は、テクニックスクールで、実際に、やってみましょう。
どう?やる気になってきた?
私は、3,3,3運動なんて言わんよ。!きっと、あなたよりも、ぐーたらな私にでも、できることを言います。