Dr. Harold Katz の 口臭バイブル
翻訳:本田俊一
補足説明・ほんだ歯科での取り組みは黄色文字で示した。
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このバイブルは、Katz 先生からほんだ歯科HPファンに寄せられたメッセージです。
この口臭バイブルは、口臭の全てに対応するバイブルで、口臭で悩む人達の福音となるでしょう。
このバイブルがほんだ歯科口臭外来の患者さん・および日本の口臭で悩む全ての人に役にたつことを祈ります。                                            7th July 2000           Dr.Harold Katz

不快な口臭と味覚の異常は、舌の深層や、ノドや扁桃に住み着いていて、硫化物を作り出す、嫌気性のバクテリアと関係がある。
それらのバクテリアは、周囲の状況の変化に応じて、硫化水素(腐った卵の臭)、メチルメルカプタン、その他様々な関連化合物といった、臭くて、まずい味のする揮発油性硫化化合物(VSC)を作り出す。

こういった反応を引き起こす条件としては、口の渇き、濃縮された唾液,ノドの過剰な粘液,後鼻漏(後鼻部より咽頭への炎症性産物の排出)、タンパク質を多く摂る食習慣(乳製品,赤身の肉,豆類など)、喫煙、アルコール(成人向けの飲み物だけでなく、口腔洗浄剤にさえ含まれるもの)、ホルモン分泌の変化、その副作用によって口の渇きが生じるような薬(抗うつ剤、高血圧の薬、抗ヒスタミン剤など)の使用があげられる。

これらのバクテリアは、舌や口腔粘膜をこそげても、除去することはできない。
なぜなら、それらは嫌気性(酸素を嫌う)バクテリアの一種であって、空気のある場所では生活することができない(酸素がこれらのバクテリアを殺してしまう)ため、舌の表面ではなく粘膜の奥深いところに生息している。だから、舌をこすってみたところで、ごく表面にある、硫黄化合物の一部が取れるだけに過ぎず、そうやって除かれた部分もすぐに、その下にいるバクテリアにとって代わられる。
臨床検査で効果の認められた、このようなバクテリアの除去方法としては、我々の治療やメインテナンスに用いるOXYD-8のような、酸化化合物を利用する方法がある。
このような酸化剤を舌背や口腔粘膜に作用させるためには、舌洗浄剤を使う。バクテリアに対して強力に作用する(除去する)ため、もはや力を入れて舌の表面をこそげる必要がない。

口の渇き(例え、たまにしか起こらなくても)は、口臭と、すっぱい、苦い、または金臭い味と関係があることは古くから知られている。
口が渇けば渇くほど、口は臭くなる。
これには唾液の中に含まれる酸素の量が関係している。
口臭を起こすバクテリアは、嫌気性の環境(酸素が無い状態)で増殖する。口の中が乾くと、唾液が無くなったり、濃くなったりするため、そこでは酸素が減少することになる。
このような変化を感知したバクテリアは、揮発性硫黄化合物を作り出す。
もしもあなたが一日中しゃべり続けると、唾液は濃くなり、口の中がもっと乾くようになる。これが口臭の起こる仕組みである。ところで25歳以上になると、唾液の量が少なくなる。25歳を頂点として下降線をたどり、年をとるほど口臭を生み出す可能性は大きくなるのである。

後鼻漏(後鼻部より咽頭への炎症性産物の排出)は、このような問題をさらに悪化させる。なぜなら、そのような粘液は、分解されて悪臭を放つ硫黄化合物へと変化する、タンパク質の一種を含むからである。従って、アレルギーのある場合は、そのような粘液を分泌しているので、問題が起こりやすい、ということになる。
咳払いは、粘液や痰が喉に溜まってきていることのサインである。このような分泌物はバクテリアが硫化物を作り出すための原料となる。
なぜならそれらのタンパク質の構造は、容易に硫化水素に変わるアミノ酸であるシステインや、メチルメルカプタンに変わるメチオニンを含んでいるからである。
皆さんの中で、まだ扁桃をお持ちの方は、非常に強い異臭を放つ小さな白黄色の「固まり」が、扁桃の深い割れ目にくっついていたり、あるいは咳き込んだときに、時々そのようなものを吐き出していると思う。それらは扁桃結石(膿栓)と呼ばれるもので、「食べ物のかす」と考える医者もいるが、実はそうではない。

それらは咽頭部で作り出される硫黄化合物と、喉を通っていく粘液の複合体であり、扁桃の「隠れ家」状の部分に引っ掛かっているのである。
これこそ、活性酸素製剤によって治療することが可能な、口臭の原因物質である。
この具体的な解決法は後で紹介する。

この、サラサラした唾液に含まれる、活性酸素の働きを利用した根本的治療法は、私が、ほんだ歯科口臭外来設立以来応用してきた理論と同じもので、私が目標としてきたものと、Katz先生の理論とはピッタリ一致しています。

新鮮唾液の分泌を促進させ、そこに含まれる活性酸素を利用する方法は、ほんだ歯科では、機能訓練法による口腔機能改善と唾液分泌促進訓練法・さらに漢方製剤を利用した東洋医学的アプローチで確立した方法で行っています。


この働きは、通常口臭が気にならない人や子供、他の哺乳類では生理的に自然にできています。

多くの場合、舌のずっと奥のところに白い膜が現れるが、それはこのような硫黄化合物の固まりである。もしその膜が黄色く変わり始めたら、症状が慢性化してきている、という徴候である。(硫黄の色は黄色い。)

ところで、人には皆寝起きの口臭がある(起床時口臭)。(残念ながら一部の人々にはそれが24時間続くのである!)夜寝る時、脳はこれからしばらく何も食べないことを知っているため、唾液腺は一時的に「休憩」の状態になる。
これが睡眠中の口の渇きをうながし、前述したような理由で硫黄化合物が作り出される仕組みである。
朝起きて最初に気づくことは、あの不快な味と口臭である。しかしこれは就寝直前に活性酸素製剤を使うことにより改善される。
実際、起床時に痰が喉に絡んでいた、私の患者では、就寝直前に仕上げとして強化活性酸素剤を使用することによって、睡眠中に口臭が発生することを防ぐことができた。その効果は素晴らしい、と言われている。

食後に口臭が起こる場合、それは、タンパク質を多く含む食物(牛乳やチーズ、赤身の肉など)と、バクテリアとの間に起こる反応のせいである。
もし食事をしてからしばらくして問題が生じる場合には、(あるいはダイエット中だったり、運動をかなりの量こなしている場合)、それは体内の水分が不足していることと、蓄積された脂肪を分解して身体がエネルギーを生み出そうとしていることが原因と考えられる。
この過程はケトン症と呼ばれ、非常に「化学的な」タイプの口臭を生み出す。夕方になって問題が出る場合には、ほとんどの場合、一日中しゃべることによっておこる唾液中の酸素の欠乏によるものである。
これは多くの人々に共通してみられる現象である。

女性の中には月経周期によって変化を感じる人もいるだろう。これはホルモンが唾液の濃度をコントロールしていることに関係している。
唾液が「濃い」のは酸素が少なくなっている証拠であり、これが硫黄化合物を生み出す過程全体の引き金となる。

ほんだ歯科では、このような、口の中の臭いが主体ではない、血液由来・呼気由来の、治療の難しい口臭に対して、口腔内的アプローチに併せて、消臭作用を持つ120種類の植物性エキス混合体(医薬部外品で、食品として認可を受けたまったく無害なものです)を内服することで口臭抑制を行ない、口臭を緩和させます。

さらに、7月より本格的に
近畿大学薬学部薬用資源学研究室松田助教授らとの協同研究及び、患者のボランティア参加による検証を経て、新しい、口臭を瞬時に消臭できる漢方茶による、症状緩和・予防として導入しました。

ある種の薬は口臭を一日中引き起こす。
典型的な例では、それらは抗うつ剤、高血圧の薬、抗ヒスタミン剤、鼻づまり治療剤、女性ホルモンを含む薬(エストロゲンと黄体ホルモンの、単体あるいは併用した治療や、避妊薬)である。
これらはすべて副作用として口の渇きを生じる。
口臭の原因が「消化器系疾患」である、として、その治療のために薬剤を投与すると、概して時間の無駄となる。なぜなら、口臭が起こるのは、胃が悪いせいではないのだから。
そのような目的で使われる薬としては、ザンタック、ペプシッド、プロッパルッシッド、アンタシッド一般、タガメット、プライロセックなどがある。

長期間にわたる抗生剤の使用と口臭の原因の間に関係がある。
初めにこの点に注目を集めるに至った患者の一部は、ニキビの治療薬としてテトラサイクライン(あるいはマイノシンとかマイノサイクラインの形で知られている)を使い続けていた。
この抗生剤を何ヶ月も使っていると、患者は口臭や口の中の不快な味に気づき始めた。これは抗生剤が善玉のバクテリアさえも殺してしまうという事実と関係している。

善玉バクテリアは抵抗力の強い種類のバクテリアに置き換わり(菌交代症)、状態をさらに悪化させる。


口臭の治療に抗生剤を使うことは無駄である。
更に、患者の多くが過去にサルファ剤を使っていたことは、口臭と関係があると言える。
それには、サルファ剤の化学的組成と、口臭の原因の一つである揮発性硫黄化合物の発生のしかたとの類似点が関係しているかもしれない。

ほんだ歯科では、細菌学的洞察から、そもそもこの口臭という問題を引き起こし、かつ、仮に効果があったとしても一時的なものしか期待できない、抗生剤を用いたうがい薬や、とりわけ、菌交代症を容易に引き起こす、抗カンジダ製剤の使用については、慎重に対応し、出来る限り使用していない。
このような薬剤、とりわけ抗カンジダ製剤においては菌交代現象を容易に引き起こす一方で、その効果は一時的なものでしかなく、その後に大きな問題を引き起こす可能性がある、という点で、口臭治療において継続的に使用することは、基本的に避けるべきであると考えています。またそれは、抜本的解決にはなり得ないものです。
この見解は、キャッツ先生とのその後の会談においても一致した見解でした。


多くの人が、血縁者の中に、自分と同じく口臭と不快な味の問題を抱える人がいる、としている。
各人が体内にすでにこれらのバクテリアを所有しているので、バクテリアは遺伝として受け継ぐことは出来ない。
遺伝として受け継ぐことができるのは、大量のバクテリアを閉じ込めておけるような特殊なタイプの舌の線維質である。
そういった舌のタイプとして知られているものには、「毛状舌」といって、舌の線維質が普通より長いものや、「裂溝舌」といって舌の中央に深い溝が一本ないし数本まっすぐに走っているものがある。

いびきをかく人は、寝ている間、口や舌や喉を非常に乾燥した状態にしている。まさにこの時硫黄化合物のほとんどが作られる。口呼吸は舌を乾燥させてしまうので、口臭を引き起こす深刻な問題である。

ほんだ歯科では、この問題に対して、就寝時のマスク着用や、プレート療法を応用して解決を図っています。

これらのバクテリアは喉の奥や、特に(まだ扁桃を持っている人では)扁桃の部分で非常に簡単に繁殖する。
重要な事実は、バクテリアは喉や扁桃では決して発生しないと言うことである。
これらの「バイ菌」は舌の奥で発生し、(唾などを)飲みこむ度に喉や扁桃と接触するのでそれらの部位に達するのである。

後鼻漏(後鼻部より咽頭への刺激排泄物漏出)を起こす人やアレルギーを持っている人では、小さな「白い固まり」―――科学的には扁桃結石(膿栓)として知られる−−が出来ることがある。

しかし、それを自分で取り除こうとしてはならない。もし試みたとしたら、ひどく出血するだろう。

多くの歯科医師や医師はそれらが何であるか知らない。それらは食べ物の破片ではないし、感染していることを示すものでもない。あわてて扁桃切除を受けてはならない。手術しても口臭は残るだろう。
それはバイ菌がまだ舌の奥のところに存在するからである。(もう扁桃をとってしまっている場合でも、喉の痛みを感じているなら、喉が以前よりさらに凸凹になっているせいで、同じような反応が起こっていると考えられる。)

私の患者の多くが次々と、以下のようにしてこの問題を解決している。
彼らは活性酸素錠を次のように使用する。錠剤を8オンスのボトル入りの水に溶かすと、洗口剤及びうがい剤として使える、強力な酸化溶液になる。

ほんだ歯科では、この膿栓への解決策として、甘草を使用した特殊なうがい法の習得、さらに、近畿大学薬学部薬用資源学研究室松田先生らとの協同研究による漢方製剤によるうがい薬。
これらの、安全で過敏状態を引き起こさず、菌交代症や副作用を起こさない積極療法に加えて、膿栓付着を防止する呼吸法の改善や口腔内機能訓練法により自然な形でやがては、安定していく治療方法で、解決しています。


舌がざらついていればそれだけ、口臭はひどい!(より多くのバクテリアを閉じ込めてしまうので。)
この状況は舌を健康なピンク色でなく、白く見えるようにしてしまう。
症状のある部分への酸素の導入はバクテリアを一掃し、臭くて不快な味のする硫黄化合物の問題を根元から絶つのである。

口臭に関わりのある食べ物

1, 乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト、アイスクリームなど)は口臭を引き起こす。
多くの人は、特殊酵素(ラクトース)が欠けているため、乳製品に含まれるたんぱく質を分解できない。脂肪含有量は関係ない。
たんぱく質の中身が問題なのである。(スキムミルクは生クリームと同じくらい悪い。)
この状態は、「ラクトース不耐症」として知られている。
問題は、口臭を引き起こすバクテリアが乳製品に含まれるタンパク質(硫黄分に富んでいる)を分解できるので、悪臭や嫌な味を作り出すのである。
乳製品は出来るだけ避けることを私はお勧めしている。

2, だれもがネギやニンニクは瞬時に口臭を生み出すことを知っている。それはネギやニンニクがすでに分子のレベルで口臭を引き起こすのと同じ種類の硫黄化合物(メルカプタン)を含んでいるからである。

3, すべてのバクテリアは糖分のある環境で繁殖するので,砂糖は問題である。
砂糖はバクテリアの成長にとって最高の餌となる。ミントや飴を使う必要があるなら、シュガーレスのものを使うこと。
ミントの味に騙されてはいけない。味覚は五感のひとつに過ぎない。
口の中に大変良い味がしていても、吐き出す息は他人にとってひどい臭いがする、ということは紛れもない事実である。

4, コーヒーは強い酸性なので問題である。
酸性が強いとバクテリアは盛んに増殖し瞬時にコーヒー臭い息へと導く。
この現象はコーヒーがカフェインを含んでいてもいなくても関係ない。

ほんだ歯科では同時に、炭酸飲料の多飲を禁止する指導もおこなっています。

5, アルコールは時折発生していた口臭を悪化させ、不快な味を感じさせる。そのアルコールがワインであろうとビールであろうと、洗口液に含まれているものであろうと関係ない。
アルコールは口の中をすばやく極端に渇いた状態にし、それによって瞬時に口臭悪化へと導く。

市販洗口液にはワインよりもアルコール分が多いということをご存知であろうか。(ワインのアルコール分が11%であるのに対し、洗口液の****は26.9%****は18.9%のアルコールを含んでいる。)
****は、実際の商品名が列挙されていますので、WEBでの公開には問題があると判断し、伏せました。
更に、研究により、一定期間以上過剰のアルコールをとると、口の中の粘膜が破壊されることが分かっている。

市場に出回っているほとんどすべての歯磨き粉がラウリルサルファナトリウムと言う非常に強い界面活性剤を含んでいる。(私たちはこの薬品を決して使わない。)
それは泡立ちをよくするために配合されている。泡には清掃効果がないのだが、何かが起こっているかのように見せることはできる。

これは、近畿大学薬学部薬用資源学研究室における動物実験で確認し、一切の界面活性剤や保存剤を用いない、漢方製剤による歯磨き剤を推奨しています。

この界面活性剤の問題は、その口腔内乾燥作用にあり、したがって口臭を、より悪化させることである。口臭が問題になる人では、歯磨き剤も工夫が必要で、これららを含まない天然素材を用い、使用後に洗い流さなくてはいけない。治療で使う活性酸素剤は、虫歯にかかりにくくする作用を持つフッ素(フッ素はまた、敏感になっている歯を鎮静するのにも有効である。)や、歯石とプラークをつきにくくする成分を含んでいる。また、息をさわやかにする歯磨き剤には歯茎や口の中の粘膜を鎮静させる医薬品アロエベラを含む。

ほんだ歯科では、かねてよりこの問題を解決し口臭を治療する目的で、新しい歯磨き剤を開発しました。近畿大学薬学部との協同研究により、漢方的処方を応用した治療用歯磨き剤「HERB WHITE」です。これを使用することにより、ほぼ同じレベルで口臭を解決してきました。

ついでながら、この歯磨き剤はすべてFDA(訳注:食品医薬品局)公認の研究室で作られており、すべて天然の成分である。人工着色料、人工甘味サッカリンは一切使用していないそして我々の歯磨き粉は強い界面活性剤は含んでいない。
口中潰瘍?
ノルウェーで行われた研究によると,この界面活性剤(ラウリルサルファナトリウム)は、口の表層に対して非常にきつい成分なので、口の中をヒリヒリさせる、としている。

残念ながら、この2,3年でそれを飲めば口臭を消すことができると称した「お口の臭いカプセル」なるものに多くの人が騙されてきた。
有り難いことに、連邦政府とベタービジネスビューローの双方がこれらの偽物の宣伝を止めさせようとする声明を発表している。
それは私が何年も前から言っているように、口臭は消化器から発生していないからなのである。

私も、口臭発生のメカニズムから胃からの口臭は発生しないと考えている。(ゲップは別です)
また、BBSでもその誤解を指摘してきました。


以下は活性酸素製剤についてこの分野の専門家の論述である。

● ある中西部の大学の医学部が独自で行った研究によると、二酸化塩素はアルコールとチモールを基本にして作られている主要なお口洗浄剤に比べて、非常にバクテリアを撃退することを示している。
● ある南アフリカの医学雑誌は、口臭を止めることができるのは二酸化塩素を含んでいるものだけであると述べている。

● 活性酸素は口臭をくい止める唯一の手段であると、ある一流のアジアの大学歯学部の歯周療法学科によって行われた研究で示されている。 

● 英国のある一流歯科学校は、濃縮した二酸化塩素を含む製品が口臭を止めるのに最良でかつ一番安全な方法であるということを主張している。

● 抗微生物テクノロジーを専門とする、ある一流の世界的に著名な科学研究者によると、特別な形の二酸化塩素は、亜塩素酸塩を素にした二酸化塩素より長いこと酸化状態を生み出すと発表している。

Katz先生の理論は、活性酸素製剤による積極的・直接的に口臭を引き起こす細菌のコントロールを積極的に人為的に行なうと言う治療法ですが、わたしの治療でもまったく同じ目的ですが、活性酸素は本来健康的なサラサラ唾液に含まれるもので、ただ、唾液中の酸素は瞬時に消費される為に、自臭症患者ではいつも、緊張のために不足し嫌気的状況を作り口臭につながっています。
しかし、これは、実は、口腔の機能回復につとめ、弱った分泌能力を強化することや、呼吸法の是正により、ほぼ数ヶ月で本来の姿に戻すことが可能です。この理論に基づく治療で、多数の自臭症患者に効果を上げています。
この効果を促進させる目的で、東洋医学的手法を用いていますが、Katz先生の手法を症例に応じて導入するとさらに効果が早まり、一時的予防においては抜群の効果が期待できます。

水を飲むことは非常に重要である。「健康な」唾液を十分に作り出すために必要な水分を補給するのは、一般に、一日にコップ6杯から8杯の水(炭酸飲料や,果汁,牛乳,低カロリーの炭酸飲料ではなく)を摂らねばならない。

この水分補給も私の治療法に、一致しています。水分補給は消化器系機能の促進と水分代謝の促進・唾液確保の為に、なくてはならないものと考えられます。
私の指導では、この時の水分補給としては水を推奨しています。お茶での水分補給は、防臭効果はあるものの唾液分泌については抑制的で、ほんだ歯科の臨床例の比較・および近畿大学薬学部松田先生の指導もあり、禁止しています。

そして、既にご存知のように、頻繁に口を濯いだり、歯磨きをしたり、デンタルフロスをしたり、舌をこすったり、完璧な口内衛生を保っても、口臭を防ぐ保証はない。
なぜなら商品化しているお口洗浄剤や歯磨き粉、シュガーレスガム、ミントなどは、この問題を起こすバクテリアと戦うことができるように作られていないからだ。
舌の奥に加えて、硫黄化合物は喉のずっと奥や扁桃にも作られるので、一般なお口のケア製品では口臭の問題の根本に到達することができない。

もし歯茎が出血している場合(単にデンタルフロスを使っている時や、歯磨きをしている時でさえも)口臭を起こすバクテリアに最高の餌を与えていることになる。
血球はタンパク質の完璧な補給源であり、容易に揮発性硫黄化合物へと置き換えられる。

これは、ほんだ歯科では、徹底した歯周治療と専門管理による完全なプラークコントロールにより、根本的解決を図っています。

もう一つの重要な事実は,ストレスが口臭に大きく影響していることである。「ストレス」を感じている時は、副交感神経が働いている。
ストレスに対する最初の身体的な反応は口の渇きである。前述したように、口が渇けば渇くほど口臭はひどくなる。例えば、突然大勢の人の前で話をするように頼まれたら、口の中が乾きはじめて、ついには唾液がほんのわずかになるか、全く無くなってしまうので、話をすることができなくなってしまうだろう。
これが瞬時に口臭へとつながるのである。

ほんだ歯科では、精神的問題についてはカウセリングを重ね、患者自身が病態を理解し、口臭に関して主観的にも客観的にも自己評価を繰り返し理解すること、患者さん相互の協力関係=すでに完治した患者が現在治療中の患者を精神的にサポートするシステム、全ての患者をインターネットによって24時間連絡が取れるシステムの構築などにより、治療中の不安やストレスを緩和すると同時に終了後の再発防止を達成しています。また、精神的後遺症の残る患者は集団カウセリングにより患者の精神不安の解消を行なっています。
また、状態により、内科医・耳鼻科医・精神科医・婦人科医・歯科医(歯周治療を除く・補綴・一般歯科は患者のかかりつけ医に委託)との連携が必要な場合は、平行して口臭治療及び経過について報告をうけ、口臭治療は主体性をもって最後まで行なっています。