8.なぜブラッシングするの? | |
家庭の歯学 お口の健康ガイド
1.患者さんへお願いします 2.なぜ虫歯になるの? 3.なぜ歯周病になるの? 4.小さなむし歯はこう治す 5.なぜ歯を抜くの? 6.なぜクラウンやブリッジにするの? 7.なぜ義歯にするの? 8.なぜブラッシングするの? 9.エイズはこわくない 10.矯正治療とは? |
歯をみがく(ブラッシング)ことは日常生活の一部です。 人生80年といわれています。歯を失わずに80歳を迎えられるようにしたいものです。歯が健康で長持ちしていれば、食べる楽しみ、話す楽しみ、美しい笑顔が保てます。ブラッシングはそのための効果的な方法です。成人の90%がかかるといわれる歯周病や、むし歯の予防になることは、皆様ご承知のとおりです。
〔ブラッシングの目的〕
歯のなめらかな表面から、歯ブラシまたはフロスを使って取り除いておかなければならないプラーク。歯の表面に残ってしまったプラークは、自分では取り除くことができない歯石に変わります。 |
●むし歯の予防
口のなかには常に細菌がいます。食べ物のかすが残っていると、この細菌の作用で口のなかが酸にかえられ、その酸が歯を溶かして、いつのまにかむし歯になるのです。食後は歯についた食べかすを確実に取り除くことが大切です。
●歯周病の予防と治療
歯はみがいたつもりでも、歯のつけ根や歯と歯のあいだなど、よくみがけない箇所があります。そこにプラーク(歯垢)がつき、このプラークのなかの細菌が原因となって歯周病が起こります。歯周病になると、歯を支えている骨が破壊され、歯がグラつき、ついには抜けてしまいます。プラークが硬く(石灰化)なると歯石となって、歯ブラシでは取り除けません。プラークをつけないよう、ていねいな正しいブラッシングが大切なわけです。はれたり、ブヨブヨしている歯ぐきは新陳代謝が悪くなっています。歯周病の初期かもしれません。マッサージをするつもりでブラッシングをしてみましょう。はじめ少し血がでるかもしれませんが、必ず引き締まった歯ぐきになります。もし歯石になってしまったら、歯医者さんで取ってもらいましょう。
●口臭の防止
口臭には鼻・胃・肺の病気などで起こることもありますが、大体は口のなかに原因があるようです。むし歯、歯周病、食べかすなど、臭いのもとになります。原因となる病気は治療し、いつも口のなかを清潔に保ちましょう。
〔正しいブラッシングは歯科医院でしっかり指導を〕
下の前歯の裏側、つまり舌のすぐ前の部分は、歯石がよくできやすい部分です。 |
歯の大きさ、形、並び方は人によって違います。歯を鏡に写して、一歯一歯ていねいにみがいてください。力を入れすぎると、歯がすり減ったり、歯肉(歯ぐき)を傷つけたりします。誤ったみがき方は逆効果です。正しくみがけているか自分でチェックする「歯垢染め出し剤」が薬局などで売られています。みがき残しは赤く染まりますので、次から気をつけてみがくことができます。歯のみがき方、歯ブラシの選び方は、歯科医院でも教えてくれます。歯ブラシで届かないところは、歯間ブラシやデンタルフロス(糸ようじ)を使うこともあります。用途にあわせて、正しく使いましょう。歯磨剤には、研磨剤や清涼感を与える薬が入っています。多くつけすぎると歯がすりへるほか、清涼感に惑わされてみがいたつもりになったりします。