喉・鼻
口臭と扁桃腺炎との関係
喉の奥の免疫組織や、舌の奥の部分(舌根部分)には多数の免疫細胞が存在して、常時取り込まれる外気に対して免疫活動を行っています。 基本的に重要な機能ですが、口呼吸や安静時唾液流量の不足などから乾燥したり、物理的・化学的刺激によって過敏に反応するようになり、ひとたび過敏になると慢性化していきます。扁桃腺などの過敏な反応に対して、物理的に炎症産物をとりのぞくことはおろかなことです。そのためによりいっそうに過敏になるし、物理的に取り除いたとしても新たな免疫反応を惹起させるだけです。耳鼻科医の専門的な診断と指導を受けてください。 それよりも、過剰な免疫反応を引き起こしてしまうような要因に対する防衛が大切で、口呼吸(があれば)の是正や、口腔内乾燥をいかにして防ぐとか、本来の口腔生理機能の改善に努めたほうがいいのです。いろいろな対策の積み上げが成果につながるでしょう。物理的に取り除くことは一時的な対症療法に過ぎず、むしろ悪化させていくことのほうが多いです。耳鼻咽喉科を受診して、確実な診断と治療を受けるといいでしょう。その上で、生活習慣的要因の克服や生理機能の強化方法については自宅でも行えることです。 喉の奥の過剰な免疫反応は、口臭発生に影響を与えますが、必ずしもそれが単独で口臭に結びつくものではなく、慢性扁桃腺炎の除去手術が妥当であるかどうかについては、耳鼻咽喉科の先生の医学的な診断の基に行われるべきです。 |