口臭について
口臭は5メートル離れていても届くのか?
「5メートル先まで口臭が届く」と訴える方が時々みられますが、正確な診断的根拠に基づくことが必要で、確かめる必要があります。今まで、口臭を訴える患者さんを500人以上診てきましたが、5メートル離れても臭気を感じた口臭患者には遭遇した経験がありません。 口臭の本体は揮発性のガスなので、たとえ無風状態であっても、5メートルも離れるとガスは上方に放射状に拡散してしまうために、相手の鼻の位置にそれが存在することは有りません。 もし何か有るとすれば、口臭ではなくて別の臭気の疑いがあります。 科学的に考察すると、通常5メートル先で他人が臭気を感じる為に必要なガスは、その地点(=口臭を感じる相手の場所)において少なくとも100ppbくらいの濃度が必要ですから、その場合、本人の位置ではレベル5、つまり、ガスを発している本人になんらかの身体的障害が発生するガス濃度に達していることになります。口臭として感じられるガスの多くは、毒性があるからです。 その場合本人はもとより、数10センチ先にいる人は何らかのガス中毒症状を引き起こすことが考えられます。(本人は身体的障害(たとえば粘膜のびらんとか、呼吸障害など)が発生するはずです。 |