食べ物や嗜好品
お酒を飲んだあとの口臭の個人差
アルコールを飲んだときの悪臭を発生させる理由があります。 1つ目は、アルコール自体が口腔内粘膜を乾燥させてしまうことです。その結果口腔内乾燥に伴う口由来の口臭が発生します。アルコールは分解される時に大量の水を必要とするために水分が奪われます。→対策としては水を摂取すればいいのですが、お酒を飲む時に、水を飲むと酒自体がまずくなるのであまりしないのです。 2つ目は、アルコールの肝臓における分解過程で2つの酵素が関与します。 アルコールはまず、アルコール分解酵素の働きで、悪臭であるアセトアルデヒドに分解され、アセトアルデヒドがさらにアセトアルデヒド脱水素酵素で分解され酢酸などの酸に分解されます。通常成人で、このアルコールが完全に分解されるスピードは、お酒に換算すると5~6合のお酒を完全に分解するには24時間くらいかかります。したがって、肝臓の機能が正常な人でも、24時間は血液中にアルコールや中間産物の悪臭のあるアセトアルデヒドが含まれ、呼吸をするたびにこの肺におけるガス交換時に臭気を放出します。また、体表からの発汗や体表の呼吸によって放出されています。肝臓のアルコール分解能力は個人差があり人によって、より長く、臭気を発散します。 3つ目は、アルコール分解酵素やアセトアルデヒド脱水酵素の保有量によって、アルコールを飲んだときの口臭のレベルに個人差が生まれます。日本人には、アセトアルデヒド脱水素酵素量が低い人が多いのです。(お酒を飲むとすぐ赤くなってしまう人です。)このような人は特に注意が必要です。口腔内乾燥は持続するし、悪臭のするアセトアルデヒドが長時間血液に滞留するからです。アセトアルデヒドは体表からも放出されるので、体表から放出されると酸に変化してすっぱい臭いも加わり、さらにひどい悪臭になります。肝臓の処理能力を超える量のアルコールを摂取した時は、二日酔いの状態になりますが、このときはアセトアルデヒドが毒物として作用した場合で、体調は非常に悪化して口臭は特にひどい状態になるでしょう。 このように、個人によって、肝臓の処理能力が異なることやアルコール分解酵素量や、アセトアルデヒド脱水素酵素の保有量が異なるために、同じようにお酒を飲んでも口臭発生状況は異なるのです。 |