体の病気などとの関係
便臭・おなら臭について
腸が悪いことと口臭は大いに関係します。 特に、日本人に多い、「うんこ臭」「おなら臭」は関連していることが多いです。腸も口と同じ消化器官です。相互に関係しあいます。また、腸内の嫌気性菌によって作られるガスは、おならとして出ると同時に血液に含まれ、肺におけるガス交換を通じて、常時、呼気に含まれます。 腸内の異常発酵はこのように、直接、呼気に反映され、過敏性大腸炎の人や、おならが臭い人は、呼気自体に、おなら臭が含まれることがあります。この場合は、しばしば、口臭とも体臭とも区別できない臭気があることもありますが、適切な食事指導と生活指導で改善します。 日本人の口臭と欧米人の口臭では、まったくその臭いが違います。また、悩み方まで違います。 日本人の口臭の訴えで多いのが「うんこ臭さ」=ぬかみそ臭い・・があります。これは日本人固有の国民臭なんです。程度の差こそあれ、日本人はみんなある程度、この臭いを持っています。 時々満員電車に乗ると、むっと来る臭いです。みんなの口から出てくるおなら臭です。したがって、うんこ臭さについては、欧米とは違った取り組みが必要であると考えています。 実は、この「うんこ臭」の正体は、意外にも、口の中が原因ではなくて、呼気にベースとして含まれている臭いである事が多いです。呼気を分析してみますと、口臭の訴えの人は、この呼気ガス濃度が、一般の人に比べて異常に高いことがあります。 私は、口の中のガスを除外し、呼気だけを取り出して、呼気に含まれる、水素ガス濃度と、メタンガス濃度を測定して、治療上の重要なデータとして解析を行っています。 うんこ臭を訴える人の中に、この、水素ガス濃度あるいは、メタンガス濃度が一般の正常な人に比べて異常に高い人がいます。これはどういうことを意味しているかというと、腸管において糖質が分解され水素ガスが発生します。 このうちの約12パーセントは、血液に吸収され、常時呼気として出ています。 もちろん口臭に反映されます。この場合の口臭は、会話していても、いなくても、口臭とも体臭ともつかぬ「うんこ臭さ」があります。もちろん、本人も自覚することがあります。また、腸管内で産生された水素ガスや二酸化炭素ガス、あるいは蟻酸などは、腸管内のメタンガス産生の嫌気性菌によって分解され、メタンガスを作ります。これも血液に溶け込み、呼気に出てきます。 この場合は、呼気中の水素ガス濃度は低下していきます。おならも非常に臭くなります。 呼気に含まれる水素ガス濃度やメタンガス濃度を測定すると、これらの濃度が正常な人に比べて多い場合は、多くの場合、腸内の異常発酵、過敏性大腸炎、慢性便秘、潰瘍性大腸炎、C型肝炎、H2ブロッカー服用中(胃の悪い人です)や、他の病気とも相関性を持っていることが知られています。 多くの場合は、病的でなくても、ストレス性の腸炎や、腸内異常発酵が関与しています。この場合は、おならも臭いです。 私は、これらの結果から、日本人にとても多い(外国では少ない)「おなら臭」の原因として、精神的ストレス・肉体的ストレスから来る腸管の活動の低下と、腸内細菌のフローラの悪化ではないかと思い、徹底した生活指導と、食生活指導を行っています。 結果として、これらのおなら臭は消失していくことが多く、この推理や取り組みは間違っていないと思います。現在、さらに、データの解析を急ぎ、因果関係について調べているところです。 |