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口臭関連情報

口臭とその治療にまつわるトピック

欧米とアジアにおける口臭に対する考えの違い・・・誰が最初に口臭を最初に医学的に考察したか?

もしも、小さい時から、起きてすぐや、できかける時や、帰宅した時や、就寝前に家族中でキスしたり、抱擁しあったり、職場でも抱き合ったり、一日に何回も握手したり、また、会話の前に必ずスマイルが要求され習慣があれば、自然のうちにどうすべきかを生活の中から学習していくし、マナーとして身に着けていくでしょう。それが、風習や文化ではないでしょうか?

アメリカの口臭クリニックでの患者の訴えでは「キスした時に相手が、嫌な顔をした」とか「キスした時に臭そうにされた」と言うレベルです。日本だったら、そんな近いところの息は誰でも少しはするから気にするなといわれるでしょう。欧米では、会話距離で臭い人なんて論外なのです。

まず口に対する意識がまったく違うでしょう。スマイルをとても重視します。スマイルは、最も口臭が起こりにくい状態です。また、歯磨き習慣や、チューイングの習慣に加えて、欧米ではブレスケアーをシステム的に行う製品がたくさんあります。先日のニューヨークのオーラルショップを視察した時は、ホワイトニング関係とブレス関係の製品はほぼ1:1でした。洗口液にしても、日本では考えられないくらいたくさんあるし、巨大なボトルに入った物まで売られています。しかも内容成分は、日本ではとても販売できない過激なものも多いです。ガムにしても、日本とはまったく違うがガムばかりだし、種類も豊富です。また、喫煙自体も非常にシビアに制限されています。

欧米では、キスする位置の息が臭いことは、もっとも忌み嫌われることで、「口臭がある」と言うこと自体を言うことがタブーになっていると聞きました。

先日アメリカの友人と、スペインの友人に、もしも仮に彼女から(会話では支障なくても)キスする時に、「ちょっと口が臭い」と言われたらどう思うかを聞くと、「立ち直れないくらいにショック」を受けると答えていました。だから、常にミントやガムを手放しません。一方で、体臭については、非常におおらかで、香水やアロマを楽しむ感じです。日本人は体臭を嫌いますが・・・
民族の持つ特性や習慣によって、口に対する意識はまったく違うものです。
日本人は、スマイルして口を見せる習慣がない(どちらかと言うと、スマイルは軽くみられてしまいます)口を見せることは卑しいことと言うふうに考えられています。したがって、隠れた部分だし隠す部分と考えるので、歯並びが悪くても恥じないし、歯が白くなくてもあまり気にならないのです。欧米では、歯並びが悪かったり、白くなかったり、臭かったりすると、よいスマイルができないから非常に気にします。
また、アメリカなどでは、お金がない限りは、医療を受けることは不可能(経済力と、その人の受ける医療の質は比例するし、貧乏人は最低限の医療さえ受けることができません)ですから、普段から予防に努めるし定期健診を怠らないのです。 きれいなスマイルが要求される、欧米の人たちにとって、口に対する意識は日本人とは比較にならないのです。

しかし、日本人は昔から、他人の口臭には警戒しています。反対に自分の口臭も気にしています。他のアジア人にも似た考えがあります。なぜでしょうか?口臭があることを忌み嫌う宗教的思想を持っているからです。大枚をはたいて、漢方医の治療を受けることのできない、知識もない庶民は大昔から口臭が気になる度に舌を磨くしか方法がなく、悪戦苦闘してきたのです。お金持ちは、漢方医に舌を診断してもらい適切な治療を受けることもできたのですが・・・

仏教国では、欧米人に比べて体臭や体臭に対しておおらかなのかと言うと、決してそうではありません。仏教では、釈迦は体臭や口臭は、心身が穢れていると説いたのです。したがって、体臭に対しては焼香して心身を清浄します。食生活も体臭が出ないように工夫しています。口臭に対しては非常に厳しく、仏門では口臭があることは汚らわしいと考えられ、お寺でも「葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さず」と書いてあることがあります。

仏門に入るものは、体臭や口臭は許されなかったのです。葷(くん)はニンニク臭やニラ臭を言います。酒は酒臭い口臭を言います。 現在でも格式の高い寺院の仏教儀式では、口臭を消す特殊な木の実を口に含んで口臭を消す事を仏事として行います。(秘仏公開の儀などでは、必ず行います。ずっと口臭を消す木の実を口に含むのです。)


口臭は心と体の不浄の現れであると言うのは釈迦の教えです。世界で初めて口臭について医学的な見解を示したのです。当時は、医療と宗教は密接に結びついていたのです。古代日本では、お寺が病院でもあったのです。釈迦はそのための手段として世界で始めて信徒に「歯磨き」を日々の御勤めとして行わせたのです。

そのための道具として、彼が悟りを開いた、菩提樹の枝を切り、世界で最初の歯ブラシも考案しました。仏教徒には昔から起きてすぐに、歯磨きをして心と体を清めるように日々の勤めとして取り入れたのです。したがって、日本人が起きてすぐに歯を磨く習慣を身に着けたのは、仏教伝来のときで、日々の信仰生活のなかに、心身を清めることとして歯磨き習慣を身につけたのです。(第2次世界大戦後、商業的に起床時の歯磨き習慣をやめさせ、朝食後に細菌学的には意味のない歯磨きが推奨されました。歯医者たちも片棒を担ぎました。
日本は仏教国ですが、釈迦の教えや伝統を捨ててしまった唯一の仏教国です。日本以外の世界中の国では、起床直後に行っています。)

この仏陀が最初に考案した歯ブラシは瞑想にふけった菩提樹から作られたために、その木は「歯木」と呼ばれ、サンスクリット語では「デンタカーシュッタ」と呼ばれたのです。 仏陀の教えはやがてシルクロードを通じてヨーロッパに伝えられ、発展して異教徒である西洋で歯科学が生まれました。歯科が「デンタル」と呼ばれる語源は釈迦が悟りを開いた木の名前に由来しています。 釈迦は古代インド医学(アーベルユーダ)の医師でもあったので、口臭は口腔内や内科的問題だけでなく精神的な問題にも関係していることを医学的に知っていたのです。
彼の哲学や口臭に対する記載を見ると、いかに深い考察がなされたかを知り、驚愕に値します。近代における口臭基礎研究者の理論よりもはるかに医学的で、私の口臭の研究では哲学者と言うよりも医学者として深い感銘を受けました。 したがって、キスする位置の息にも、気をつける欧米人に比べて、時々他人を不快にする生理的口臭には無頓着な日本人を、釈迦はきっと憂いているでしょう。

この釈迦の教えは、皮肉にも異教徒の方が守っているし、デンタルと言う歯科学に発展させたのも異教徒ですから、彼も浄土でさぞかし苦笑していることでしょう。

ひょっとすると、欧米におけるキスの習慣は、相手の心身が穢れていないことをチェックするために始まったのかもしれません。
ここでは、釈迦の宗教論を書いているのではなく、あくまでも歯科学や歯磨きという見地からの考察です。

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