- 口臭とその治療にまつわるトピック
- 欧米とアジアにおける口臭に対する考え方の違い
- 嗅覚の不思議
- Excellent Breathとは何か?
- Fresh BreathとExcellent Breathの違いについて
- キスする位置で無臭を作り出すことについて
- 唾液は臭い?
- 他人の客観的評価を受け入れられないということ
- しぐさはどうして気になってしまうのか?
- 口臭症から離脱する時。しぐさ及び人の評価をどう解釈するか?
- 口腔の乾燥と皮膚の乾燥、そして口臭
- 口の中の乾燥と喉の乾燥と安静時唾液流について
- 中学から高校生の頃の口臭問題
- 口臭と不登校・受験の悩みについて
- 面接試験と口臭
- 膿栓とは何か?
- 口臭治療における「パラパラ」
- 他人に口臭を指摘する
- 他人の口臭についての対策
- 市販口臭チェッカーについて
- 自分自身での口臭の客観的評価
- 臭気の距離
- 口臭治療における抗カンジダ薬治療に対する私の見解
- 一般歯科的問題がないのに気になる口臭
- 胃と口は連結した消化器
- 自宅でできる確実な官能検査方法について
- 欧米人との口臭に対する取り組みの差について
- 女性はなぜ口臭に悩みやすいか?
- 口臭は移るか?
- 口臭にまつわるコミュニケーション阻害はどうしておこるのか?
口臭とその治療にまつわるトピック
膿栓とは何か?
下の図は、喉の奥の部分を、前方から見たところです。○で囲まれた中の、ちょうど真ん中に見える突起は、いわゆる「ノドチンコ」です。この領域は、外部から侵入するウィルスや細菌が、さらに体の奥深くへと侵入するのを防ぐために、様々な防御機構が用意されています。斜線で示されているのがその機構で、これらを総称して、ワルダイエル咽頭輪とも呼ばれるそうです。 下の図は、口蓋扁桃を拡大したところです。 扁桃組織には、陰窩と呼ばれるたくさんの穴があり、上扁桃腺窩と書かれているのは、その中でも特に大きいもの。 陰窩の中には細菌が常在していて、 奥には細菌の死骸などの力スがたまっているそうです。そして、このカスが表面に露出している部分が、膿栓と呼ばれるもの。ちょうど、この図で「扁桃腺窩」として示された二つの矢印の先端=穴の入り口にできる訳ですね、膿栓は。 ということで、膿栓は、原因(例えば、慢性炎症)が除去されない限り、何度取っても新たにできる、ということになりますね。 扁桃の炎症は、リウマチ熱や腎炎、心内膜炎などの疾患と関連する場合があり、そのようなケースでは扁桃の摘出が検討されます。この部分は、素人考えであまりいじらないほうが、無難だと思いますね。 それから、耳鼻科で必要があると判断されれば、「扁桃洗浄」が行われますが、慢性炎症が続いていれば1~2週間で再び膿栓が見られるようになるとのこと。 なお、上の図は、金芳堂の「小耳鼻咽喉科書」からコピーさせていただきました。とても古い教科書なので、用語については、現在使われているものと少し違っている可能性はありますが、概念としては変わらないはずです。 |