- 口臭とその治療にまつわるトピック
- 欧米とアジアにおける口臭に対する考え方の違い
- 嗅覚の不思議
- Excellent Breathとは何か?
- Fresh BreathとExcellent Breathの違いについて
- キスする位置で無臭を作り出すことについて
- 唾液は臭い?
- 他人の客観的評価を受け入れられないということ
- しぐさはどうして気になってしまうのか?
- 口臭症から離脱する時。しぐさ及び人の評価をどう解釈するか?
- 口腔の乾燥と皮膚の乾燥、そして口臭
- 口の中の乾燥と喉の乾燥と安静時唾液流について
- 中学から高校生の頃の口臭問題
- 口臭と不登校・受験の悩みについて
- 面接試験と口臭
- 膿栓とは何か?
- 口臭治療における「パラパラ」
- 他人に口臭を指摘する
- 他人の口臭についての対策
- 市販口臭チェッカーについて
- 自分自身での口臭の客観的評価
- 臭気の距離
- 口臭治療における抗カンジダ薬治療に対する私の見解
- 一般歯科的問題がないのに気になる口臭
- 胃と口は連結した消化器
- 自宅でできる確実な官能検査方法について
- 欧米人との口臭に対する取り組みの差について
- 女性はなぜ口臭に悩みやすいか?
- 口臭は移るか?
- 口臭にまつわるコミュニケーション阻害はどうしておこるのか?
口臭とその治療にまつわるトピック
口臭治療における抗ガンジダ薬治療に対する私の見解
歯周病治療に対する「抗カンジダ薬」を使った治療が画期的で大発見みたいな報道がなされたことや、抗カンジダ薬の口臭治療への応用に対する患者の不安についてのメールもよく頂くので私(ほんだ歯科)の口臭治療の見解を述べていきます。 また同時に、抗カンジダ薬による口臭治療や歯周治療を希望して来院される患者も多くなってきました。問い合わせも急増しています。 何回もこのホームページで訴えていますが、口臭治療に「抗カンジダ薬を取り入れて口臭は完治する」といううたい文句で、口臭治療を展開するクリニックがありますが、これらの治療は、その根拠として口臭=歯周病=歯周病治療としての抗カンジダ薬という図式になっているのだと思います。 確かな医学的根拠に基づき細菌学的・感染症学的知識に充分な知識の豊富な先生が責任を持って治療される場合は別です。 歯周病の発症の仕組みは、歯周菌の増加とその病原性と宿主の老化やストレスによる免疫応答の低下が原因で、原因菌はカンジダではないということ、細菌感染が起こる場合は常その裏に真菌感染があるということが抗カンジダ薬を使うことは適切でないことの根拠です。
つまり、先に真菌感染(カンジダ症)があって細菌感染(歯周病)があるのでもないです。細菌感染(歯周病)がある場合は、同時に真菌感染もおこるのです。
したがって、細菌感染を防御して治療(歯周病を治せば)すれば結果として真菌感染(カンジダ症)はなくなるので、確立された歯周治療を確実にすれば抗真菌剤の使用は必要がないのです。 不用意な抗真菌剤の濫用は、口腔内常在細菌叢への影響が大きく、副作用も多いので例え一時的に有効であったとしても、その後の口腔内の細菌環境にどのような影響を与えるのか?あるいは、口に端を発した消化器系全般に与える影響も未知であるために抗カンジダ薬の適用にあたっては確定診断(確かにカンジダ症があるという細菌学的診断や病理診断)が必要で、あくまでもカンジダ症の治療に限定してとどめるべきであるという考えでいます。 確かに抗真菌剤は細菌にも殺菌作用があり一時的な効果があるもののその適応においては慎重を要すると考えています。 正しい、誰が考えても納得のできる医学的根拠に基づく抗カンジダ薬の使用であれば、問題ないのですが、確定診断による真菌症以外での抗カンジダ薬は危険であると考えています。
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