舌苔は悪いものではありません。ある程度は必要です。
食器やお箸を一緒に使っても、もしも、彼の口腔内細菌があなたの口に入っても、彼の口にいる菌とあなたの口の中の大半の菌は「口腔内常在細菌叢」と呼ばれ、成人の場合は、大体同じような菌類やかび類が棲んでいます。したがって、共通した菌が入ってきたとしても、移ったという概念が成立しません。

この、口腔内常在細菌叢は民族によって異なるし、年齢によっても、生活環境や食生活によっても微妙に異なります。同じく生活をしている人はだいたい同じになります。これは病的なものではなく自然なものなので心配ないです。 では、もし、彼に固有の菌があなたの口に入ったとしたらどうなるかということですが。

仮に、彼が風俗で遊んできて、風俗嬢から、怪しい菌を口の中に入れたままになっていたとして、その一部が、あなたとキスをして口に入ってきたとしても、あなたには固有の常在細菌叢があるので、その怪しい菌はあなたの口の中に定着できません。

だから、あなたが、極度に免疫不全になっていないかぎりは感染を受けんることはほとんどありません。こうして、歯周菌を含む口腔内細菌叢は口腔内からの外敵となる菌の侵入をブロックしているのです。浸入した菌がそこにとどまり増殖を繰り返し、組織に定着しない限り感染は成立しないのです。また、たいていの有害な菌は、強い殺菌性を持つ新鮮な唾液によって常に消毒されています。
ただ、唾液が少なかったり古くなると、この殺菌性はなくなります。 ちょうど蚊の大群の中に、カブトムシが飛び込んできても、カブトムシは、すごくたくさんいる蚊のせいで、退散するようなものです。この蚊の大群のような役割が常在細菌叢です。