- 舌と舌苔について
- 舌の白さ
- 寝起きの白い舌苔
- 口臭と舌苔(1) 舌を観察する
- 口臭と舌苔(2) 舌苔を観察してみる
- 口臭と舌苔(3) 舌苔を取りすぎるとどうなるか
- 口臭と舌苔(4) 正常な舌苔と病的な舌苔
- 本当に舌みがきはやめるべきでしょうか?
- 舌のひりひり感
- 白い舌苔と唾液の白濁と鼻臭
- 過剰な舌苔はなぜつくのか?
- 舌の正常な構造
- 舌苔を取り除くことについて考える
- 舌苔について
- 舌苔が部分的に欠落することで起こる口臭
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- 舌みがきについて
- 舌苔はなぜ臭うのか?
- 舌を磨くこととの舌の臭気
- 舌苔に対する考え方と取り組み方
- 舌みがきの代わりに飴
- 舌苔が突然剥げ落ちた、それでも舌苔除去を続けますか?
- 食後の舌苔
- 裂溝舌
- 舌乳頭
- 口臭外来で舌みがきを勧められたら
- HONDA流舌苔除去法
- 舌みがきを医学的・歴史的に考察する
- 舌みがきを科学する
- 舌運動・ひょっとこ運動・くいしばり運動
- 舌の奥の構造
- 舌みがきと牛乳の関係
- 一時的に黄色くなる舌苔
舌と舌苔について
舌を磨くことの医学的・歴史的考察
もしも、舌を磨くことで、口臭が解決するのであれば、舌磨きは紀元前500年前から行われている習慣であり、記録によれば古代インドでは現在よりのはるかに優れた 過剰な舌苔を持つ人は、元々、粘膜過敏があったり口腔内乾燥などの要因を持っているので、そのような物理的刺激によって舌の繊細な粘膜は容易に損傷を受け、 舌苔を物理的に取り除く限りは、永遠に口臭は解決しないでしょう。 取り除く器具も非常に洗練され、当時は高級な鯨のひげを用いていたようで、浮世絵にはたくさん残っています。おそらく現在のブラシよりもはるかに性能は良かったと考えられます。遊女は、職業柄客にきわめて接近するのでたしなみとして行ったのです。この遊女と同じ方法を推奨しているのが現在の歯科を中心とする歯科医の考え方です。臭いものは取り除くと言う考え方です。したがって、対症療法であるので必要に応じていつまでも行う必要があります。 舌の表面は、消化器の内側と同じように粘膜になっています。組織学的にも顔の表面のような表皮とはまったく違う構造をしています。顔の表皮のほうがはるかに頑丈です。顔をブラシでゴシゴシ磨くことをしない人でも、舌粘膜は平気でブラシでゴシゴシするケースがありますが、医学的には無謀なことです。舌をブラシなどで磨くと、ちょうど胃の粘膜や、膣粘膜をブラシでこするのと同じ変化がおこります。舌粘膜を磨くことは、医学的に見ると、同じ消化器である胃の粘膜をブラシで磨くのと同様の行為です。ただ、素人の場合にそのようなことが平気でできてしまうのは、口の粘膜の特殊性を知らないからです。口腔内粘膜は、他の粘膜と違って、痛みに非常に鈍感なのです。理由は、解剖学的には口腔内の痛覚は他の粘膜に比較して非常に少ないからです。目の粘膜や、膣粘膜をブラシでこする気にならないのは痛いからです。 もしも、口と同じように爽快な気分を味わうことができたら、平気で目や膣もブラシでゴシゴシこするでしょう。 |