- 舌と舌苔について
- 舌の白さ
- 寝起きの白い舌苔
- 口臭と舌苔(1) 舌を観察する
- 口臭と舌苔(2) 舌苔を観察してみる
- 口臭と舌苔(3) 舌苔を取りすぎるとどうなるか
- 口臭と舌苔(4) 正常な舌苔と病的な舌苔
- 本当に舌みがきはやめるべきでしょうか?
- 舌のひりひり感
- 白い舌苔と唾液の白濁と鼻臭
- 過剰な舌苔はなぜつくのか?
- 舌の正常な構造
- 舌苔を取り除くことについて考える
- 舌苔について
- 舌苔が部分的に欠落することで起こる口臭
- 舌苔は人から移るのか?
- 舌みがきについて
- 舌苔はなぜ臭うのか?
- 舌を磨くこととの舌の臭気
- 舌苔に対する考え方と取り組み方
- 舌みがきの代わりに飴
- 舌苔が突然剥げ落ちた、それでも舌苔除去を続けますか?
- 食後の舌苔
- 裂溝舌
- 舌乳頭
- 口臭外来で舌みがきを勧められたら
- HONDA流舌苔除去法
- 舌みがきを医学的・歴史的に考察する
- 舌みがきを科学する
- 舌運動・ひょっとこ運動・くいしばり運動
- 舌の奥の構造
- 舌みがきと牛乳の関係
- 一時的に黄色くなる舌苔
舌と舌苔について
舌を磨くことと舌の臭気
舌磨きを行うと、一時的に口臭は緩和しますが、すぐに復活します。 さらに、過剰な舌苔は、より一層ついてくるようになります。舌表面は繊細な粘膜組織で、しかも健全な舌には左の写真のように微細で繊細な舌乳頭と呼ばれる乳頭がビロードのように存在しています。 この舌乳頭の存在によって、保水作用があり粘膜が保護され一定の唾液を捕捉して味覚物質を溶かし込んだりしています。この舌乳頭は非常に繊細な組織で、少しでも磨くとちぎれたり破壊を受けます。その結果、唾液には大量の破壊された舌乳頭の剥離細胞が混じってくることになります。 舌を磨くと、舌表面は電子顕微鏡レベルでは空襲を受けた都市のようにずたずたになり、それを修復しようとして舌表面粘膜から粘液が浸出し修復作用が行われるので、ネバネバしてきます。 その結果治癒過程でより一層過剰な舌苔がついてくるようになり、唾液はさらに剥離細胞が浮遊するようになり、唾液を取り出してみると悪臭と共に、白濁した沈殿物ができます。口腔内乾燥を起こすと、唾液の臭気がするようになります。 このように、習慣的に舌を磨く人は、唾液自体が非常に臭くなり、例え歯科的な問題がなくても常に舌は不快な状態になり、しかも、乾燥すると唾液が臭くなります。 気持ち悪いので、さらに舌を磨くと悪循環になり、ほとんどのケースは死ぬまで舌を磨くことが習慣として身についてしまいます。結局口臭も習慣化してしまい口臭から逃れることはできなくなります。仕方がないので、臭いがひどいためにその都度舌を磨き口臭を抑制するしかない、という習慣は、人類の古くからの対症療法的な口臭に対する予防策だったのです。
舌を磨くという行為は、口臭というものを医学的に解決することではなく、素人が、なすすべがないので対症療法的に取り組んできた一時しのぎ的方法です。
東洋医学や、現在の中医や、内科では舌苔を診断して体調や内科的疾患などを判断して、舌苔を取り除くことなく治療を行ったり、生活改善を指導したりして健康な舌になるようにします。これは、根本的解決なので健全になると舌を磨く必要はなくなります。 ほんだ歯科では、機能を高め口腔生理機能を回復させていくことで、短期間に健全な舌を回復させる治療が取り入れられています。ひどいケースでは、特殊な漢方系のジェルや歯みがき剤を使用します。 舌磨きをしなければいけない例外は、回復不可能な病気を抱えて自分で口腔衛生管理ができなくなった病人や老人、咀嚼機能が極端に低い病人の介護、一時的に入院などして口腔衛生管理ができなくなった人の場合に限り、なるべく安全な方法で過剰な舌苔を介護する人の手によって取り除く事には、医学的な意味はあるでしょう。 |